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2019/08/26

「BrainPhys」 活性のある神経を培養するために

  • 用途別細胞培養

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培養中のニューロンは、一緒に発火できていますか?現在の培養条件はニューロンの活動と機能を阻害せず、促進できていますか?

神経培養においては、iPS細胞由来ニューロンの複雑な相互作用を測定する場合でも、制御された環境でげっ歯類の神経生物学を研究する場合でも、脳の生理学的条件を可能な限り模倣する必要があります。
BrainPhys(STEMCELL Technologies社)は、そのようなニーズを満たすために神経科学者が自ら開発した新しいニューロン培養用基礎培地です。

BrainPhys™が作られた理由とは?

「私たちの目標は、健康な神経回路をサポートするとともに、異なる培地への切り替えをせず成熟ニューロンの機能特性をモニターできる培養条件を開発することでした。 厳密には、そのような培地こそ最適な生理的神経活動を可能にするはずだと考えました。研究成果を同僚たちと共有した後、この神経培地を科学コミュニティが簡単に利用できるようにしたいと思いました。」
 ― Dr. Cedric Bardy(BrainPhysを開発した研究者)

Salk Institute(アメリカ)のFred H. Gage研究室で従来の培地の欠点を認識したCedric Bardyは、in vitroの神経活動をより良くサポートするために、どの特性を変更できるかを特定しようとしました。彼らは、活動電位の生成やシナプス活動など、多くの重要な神経生理学的特性が損なわれることを発見しました。解決策は2015年に公開された新しい組織培養培地 BrainPhys™ の発明でした(C Bardy et al. Proc Natl Acad Sci USA, 2015)。BrainPhys™では脳のような生理的条件の培養が可能で、シナプスで活性のあるニューロンの割合が高くなります。
STEMCELL Technologies社では、この組成に基づいてBrainPhys™ Neuronal Mediumを開発し、20年以上の培地製造経験と、業界をリードする原料スクリーニングおよび性能試験プログラムを適用することで、ロット間のばらつきを最小限に抑え確実な性能を備えた製品を生み出しました。

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BrainPhys Neuronal Medium    BrainPhys Without Phenol Red

なぜ、活性あるニューロンの培養が重要なのか?

Dr. Cedric Bardyが、脳のような生理的条件の下でニューロンの成長をサポートするために、新しいニューロン用基礎培地BrainPhysを作った理由と方法について解説します。動画の視聴はこちら>> (閲覧するには会員登録をお願いします)

健康な神経回路、生理的な神経活動とは?

“Cells that fire together wire together" 一緒に発火する細胞同士は互いにつながります。

「細胞Aの軸索が細胞Bを興奮させるのに十分近く、繰り返しまたは持続的に発火させると、一方または両方の細胞で何らかの成長過程または代謝変化が起こり、Bを発火させる細胞の1つとしてのAの効率が増加する。」
 ー Hebb, D.O. (1949). The Organization of Behavior. New York: Wiley & Sons.

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BrainPhysの特長

  • 生理的 脳の細胞外環境を再現
  • 活性 神経機能が改善され、シナプスで活性のあるニューロン比率が上昇
  • 簡便 培地を変更せずに機能解析が可能
  • 多用途 中枢神経系由来プライマリーニューロンおよびヒトES/iPS細胞由来ニューロンの長期培養が可能
  • 信頼性 厳正な原料スクリーニングとQCで、最小限のロット間差を実現

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BrainPhysで培養後のニューロン(A,C)におけるシナプス活動改善
詳細はこちらを御覧ください>>「BrainPhys」脳の生理条件を再現!神経生理学研究用 無血清培地

BrainPhys™で論文を発表した人々

2015年の発売以来、BrainPhys™は多くのインパクトの高い雑誌で引用されています。ごく一部の例だけでも、iNeurons1、網膜オルガノイド2、げっ歯類ニューロン3,4、およびiPS由来神経堤細胞5の培養に使用されています。論文の著者である神経科学者に、彼らの研究、動機、そしてBrainPhys™でどのように論文発表したかについて聞きました。

ニューラルネットワークの結合性の新しい研究方法

Saber WA et al. (2018) All-Optical Assay to Study Biological Neural Networks. Frontiers in Neuroscience. 12:451.

BrainPhys™と比較してNeurobasal™では全体的な結合性の平均が有意に低くなることが観測された。これはBrainPhys™が最適な活動電位とシナプス活動をサポートし、Neurobasalがシナプス伝達と活動電位発火を減らすことを示す以前の報告(Bardy et al., 2015)とも一致する。」

詳しくはこちら>>

外傷性脳損傷治療のための新しい分子標的の探索

Jackson TC et al. (2018) BrainPhys® increases neurofilament levels in CNS cultures, and facilitates investigation of axonal damage after a mechanical stretch-injury in vitro. Exp Neurol. 300:232-46.

「科学的プロセスの最大の強みのひとつが、(すべての状況において)何が“最適”か定期的に再評価することだと考えます。BrainPhys™は神経毒性と神経保護の研究に一般に用いられる従来の培地とは違います。違うことは良いことです。違うことは、進歩のレシピでは根本的要素の1つです。私の意見では、BrainPhys™は探索のための刺激的で興味深い新しいツールです。」

詳しくはこちら>>

  1. Kim Y et al. (2018) Mitochondrial Aging Defects Emerge in Directly Reprogrammed Human Neurons due to Their Metabolic Profile. Cell Rep. 23(9):2550-8.
  2. Fligor CM et al. (2018) Three-Dimensional Retinal Organoids Facilitate the Investigation of Retinal Ganglion Cell Development, Organization and Neurite Outgrowth from Human Pluripotent Stem Cells. Sci Rep. 8(1):14520.
  3. Saber WA et al. (2018) All-Optical Assay to Study Biological Neural Networks. Frontiers in Neuroscience. 12:451.
  4. Jackson TC et al. (2018) BrainPhys® increases neurofilament levels in CNS cultures, and facilitates investigation of axonal damage after a mechanical stretch-injury in vitro.) Exp Neurol. 2018 300:232-246.
  5. Frith TJ et al. (2017) Human axial progenitors generate trunk neural crest cells in vitro.) Elife. 10;7.

BrainPhys™の国内使用例

大脳皮質オルガノイドにおける痙攣陽性化合物および抗てんかん薬の応答

東北工業大の鈴木郁郎先生による、ヒトiPS由来大脳皮質オルガノイドのアプリケーション紹介です。MEAによる電気活動計測にBrainPhysを用いています。詳しくはこちら>>

ヒトiPS由来神経細胞を用いたMEA計測

東北工業大の鈴木郁郎先生による、iPS由来神経細胞(XCell Neuron)をもちいた毒性・安全性評価法、および創薬スクリーニングへの応用に関するアプリケーション紹介です。無血清培地としてBrainPhys(NeuroCult SM1 supplementを添加)を用いています。詳しくはこちら>>

BrainPhys™の主要文献

その他の文献はこちら>>

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