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2021/11/29

ヒト多能性幹細胞の生存率を高めるサプリメント「CloneR™2」

  • 用途別細胞培養

STEMCELL Technologies社のCloneR™2(商品コード:ST-100-0691)は、ゲノムの完全性と分化能を維持したヒト多能性幹細胞(hPSC)のクローン細胞株を生成するための組成が明確(defined)な無血清のサプリメントです。CloneR™2を使用すれば、低密度または高密度での播種を含む高ストレス条件下でヒト胚性幹(ES)および人工多能性幹(iPS)細胞のクローニング効率と生存率を高めることができます。

CloneR2の特長

hPSCの生存を促進するCloneR™2サプリメントには、以下の特長があります。

  • より多くのコロニーを迅速に準備 クローニング効率が向上し、コロニー選択までの日数を短縮できます
  • 堅牢で一貫性のあるクローニング 培養系や細胞株に依存せず高い性能を発揮します
  • 強化された生存率 あらゆる播種密度、およびエレクトロポレーション・解凍など高ストレス負荷後におけるコロニー形成率を改善します
  • シングルセルへの直接移行 継代によるシングルセルへの馴化段階は不要です
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CloneR™2で改善できること

このようなことでお困りですか?

  • hPSCのゲノム編集がうまくいかない
  • 凍結保存されたhPSC株の解凍後リカバリー率が低い
  • 生存率や接着率の低いhPSC株がある
  • hPSCのシングルセル生存率が低い

これらの問題は、CloneR2の添加により改善できる可能性があります。

強化された生存率

CloneR2は従来品に比べ、hPSCの生存を改善する性能が強化されています。hPSCのあらゆる播種密度において、高ストレスに曝された細胞の生存を改善する効果が期待できます。

CloneR2の想定される用途と効果

アプリケーション CloneR™2添加の効果
遺伝子編集(例:CRISPR/Cas9)をもちいたノックインまたはノックアウトhPSC疾患・発生モデルの作製 エレクトロポレーション後およびクローン沈着(clonal deposition)中のhPSCの生存を改善
遺伝子編集後に生じていた死細胞のレスキューが可能
クローン細胞株を樹立するための、hPSCの低密度播種(<25 細胞/cm2)および1細胞/ウェルでのFACSソーティング 低密度の播種やシングルセルソーティングしたhPSCの生存と増殖を促進
解凍後の回復や、分化前の単層形成のための、hPSCの高密度播種 高密度播種したhPSCシングルセルの生存を改善
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フレキシブルで使いやすいサプリメント

CloneR™2サプリメントは、hPSC維持用のTeSR™培地(mTeSR™1、mTeSR™ Plus、TeSR™-E8™、TeSR™-AOF)、および任意の細胞培養マトリックス(例:Vitronectin XF™、Human recombinant laminin 521、Corning® Matrigel® hESC-Qualified Matrix)との互換性があります。hPSCの培養系にCloneR2を追加するだけで、細胞の生存を改善することができます。

CloneR™2がhPSCの生存に及ぼす具体的な影響については、以下で紹介しているアプリケーション別の検証データをご確認ください。従来品(CloneR™またはY-27632)との性能も比較しています。

 

データ1:hPSCクローニング効率の改善

hPSCのクローニング効率とコロニーサイズを改善します

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hPSCのクローンを作製する際、(A)Y-27632と比較して、(B)CloneR™の使用時にクローニング効率が大幅に向上します。さらに(C)CloneR™2は、Y-27632またはCloneR™と比較してクローニング効率をより向上させ、コロニーサイズを増大させます。mTeSR™ PlusをもちいてVitronectin XF™上で10 cmディッシュあたり200細胞(〜4細胞/cm2)播種したhES細胞(H9株)の例を図示しています。

 

複数のhPSC株に対してクローニング効率を改善します

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(A)mTeSR™1をもちいてVitronectin XF™上で増殖させた12ウェルプレート内の200細胞(H9株)の播種後8日目の代表的画像です。3つのhES細胞株(H1、H7、H9)と5つのhiPS細胞株(WLS-1C、STiPS-F016、STiPS-M001、STiPS-R038、STiPS-B004)を、CloneR™またはCloneR™2を添加したmTeSR™1をもちいてVitronectin XF™上にクローン密度(50細胞/cm2)で播種しました。CloneR™と比べてCloneR™2を添加したmTeSR™1では、(B)hPSCのクローニング効率と(C)コロニーサイズが増加します。(B)の各データポイントは3つの技術的複製の平均値で、各細胞株あたり7以上の生物学的複製(n)を設定しました。

 

シングルセル沈着後のhPSCのクローニング効率を改善します

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シングルセル沈着(single-cell deposition)はクローニングにおける最も標準的な方法ですが、FACSベースの手法に依存しているため通常はクローニング効率が低くなります。CloneR™と比較してCloneR™2を添加したmTeSR™ Plusで生成されたクローンでは、(E)クローニング効率と(B、D)コロニーサイズが大幅に改善されます。(A、C)Vitronectin XF™上に播種し8日間培養したhES細胞株(H9)の代表的画像です。評価した4細胞株の平均で、CloneR™とCloneR™2のクローニング効率はそれぞれ21.2±5.6%と38.6±6.0%でした。各細胞株あたり3以上の生物学的複製を設定しました。* p <0.05; *** p <0.001(独立t検定)。

 

データ2:高密度で播種したhPSCの生存促進

高密度播種時のhPSCの播種効率を改善します

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培養開始から24時間、CloneR™2を培地に添加して使用した場合、Y-27632の使用時と比較して、単一細胞の播種効率を向上させます。5.0 x 105細胞をCloneR™2またはY-27632を添加したmTeSR™ Plusをもちいて、Corning® Matrigel®でコートした12ウェルプレートに播種し、24時間後に培養物を分析しました。全細胞株の平均播種効率は、CloneR™2とY-27632の使用時にそれぞれ98.2 ± 12.8%と81.9 ± 15.8%でした(各細胞株あたりn = 3)。

 

播種時に添加することでhPSCの増殖を改善します

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シングルセル継代での播種時にCloneR™2を添加すると、Y-27632と比較して細胞増殖を改善します。3.0 x 104細胞を、CloneR™2またはY-27632を添加したmTeSR™ Plusをもちいて、Corning® Matrigel®でコートした12ウェルプレートに播種しました。24時間後から完全培地(クローニングサプリメントなし)で維持し、5日目に分析しました。全細胞株の平均増殖倍率は、CloneR™2とY-27632の使用時にそれぞれ49.1 ± 10.4と21.1 ± 8.2でした(各細胞株あたりn = 3)。

 

データ3:ストレスを受けたhPSCの回復促進

エレクトロポレーション後のhPSCの回復を改善します

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CloneR™2は、エレクトロポレーションを必要とする遺伝子編集ワークフローで生存を促進するためにも使用できます。4種の細胞株をエレクトロポレーションし、Y-27632、CloneR™、CloneR™2のいずれかを添加したmTeSR™1およびmTeSR™ Plusに播種しました。24時間後から完全培地(クローニングサプリメントなし)で維持し、5日後に分析しました。(A-D)全4細胞株においてCloneR™2は、Y-27632やCloneR™と比較して細胞の生存と増殖を劇的に改善しました(各細胞株あたりn = 2) 。

 

解凍後のhPSCの回復を改善します

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凍結保存した細胞を解凍すると、最初の継代で増殖低下や消失が起こることがあります。hPSCの解凍から24時間までCloneR™2を播種サプリメントとして使用することで、この影響を緩和しhPSCの回復を改善できます。3種の細胞株をシングルセルとして凍結し、Y-27632またはCloneR™2を添加したmTeSR™ PlusをもちいてMatrigel®上で解凍しました。24時間後から完全培地(クローニングサプリメントなし)で維持し、4日目または5日目に分析しました(各細胞株あたりn≧7)。

 

関連動画

Facilitating hPSC Single Cell Seeding Workflows Using CloneR™2

2021年のISSCR(国際幹細胞学会)で収録されたこのウェビナーでは、CloneR™2の詳しいデータをご紹介しています(再生時間 - 12:49)。
(動画の視聴にはSTEMCELL Technologies社ウェブサイトでの登録が必要です。)

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