• 研究用

Y-27632は、細胞透過性で高活性かつ選択的な、Rho-associated, coiled-coil containing protein kinase（ROCK）阻害剤です。ROCK1 (Ki = 220 nM) とROCK2 (Ki = 300 nM) の両方を、触媒部位への結合においてATPと競合することによって阻害します (Davies et al.; Ishizaki et al.)。
以下のようなアプリケーションに使用されています。

維持と自己複製
- ヒト胚性幹細胞（ES細胞）を単細胞に解離する際、解離誘発性アポトーシス（アノイキス）を防ぐことで生存率を高め、クローニング効率を向上させます (Watanabe et al.)
- 強制凝集プロトコルを用いた胚様体の形成を改善します (Ungrin et al.)
- 凍結保存したヒトES細胞の解凍後の生存率を向上させます (Li et al.)
- マウスES細胞由来神経前駆体の解離・移植後のアポトーシスを抑制します（Koyanagi et al.）

リプログラミング
- CHIR99021、RepSox、Forskolin、SP600125、Gö6983、バルプロ酸との併用により、線維芽細胞を成熟神経細胞へ直接リプログラミングします（Hu et al.）

分化誘導
- 分化プロトコルの開始時にヒトES細胞モノレイヤーの生存率を向上させます (Rezania et al.)

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