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ラーニングコーナー

2019/06/14

高品質な幹細胞(ES/iPS細胞)の培養・評価・アプリケーション【E-learning】

  • 用途別細胞培養

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ヒト胚性幹細胞(ES細胞)および人工多能性幹細胞(iPS細胞)は、ヒトの発達・疾患を研究するための貴重なツールであるとともに、再生医療および創薬に使用するための分化した細胞の供給源でもあります。
再生医療に向けて、ヒト多能性幹細胞(ヒトES/iPS細胞、hPSC)から分化させた細胞等を使用して臨床応用が進む中、細胞品質に新たな焦点が当てられています。hPSCsでも同定された反復性(リピート)遺伝子異常は、ヒトのがん細胞においても観察されており、これらの細胞を治療用途に使用することに対して安全性への懸念が出てきています。

本記事では、高品質な幹細胞培養・評価・アプリケーションについてのウェビナーをまとめました。
(動画の視聴にはSTEMCELL Technologies社ウェブサイトにてログインが必要です)

動画のご紹介

ヒト多能性幹細胞(hPSC)の生物学の概要、hPSCの品質と特性を評価する方法、プレートコーティング、培地の選択肢、継代から凍結保存までhPSC培養を維持する方法を動画で紹介
Complete a Virtual Training Course on Pluripotent Stem Cell Quality and Maintenance
(動画の視聴にはSTEMCELL Technologies社ウェブサイトにて登録が必要です)

高品質なhPSCの維持と評価

--高品質な多能性幹細胞(hPSC)培養の維持と評価--

Maintaining and Assessing High-Quality hPSC Cultures

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hPSCは再生医療、疾患モデリング、創薬、毒性学などの幅広い用途で非常に有望です。CRISPR-Cas9ゲノム編集と並んで多くの研究者が用いており、これらのテクノロジーを組み合わせて使用することで、斬新なデータを迅速に生成することができます。hPSCの分化誘導体を含む最初の臨床試験が進行中のため、遺伝的に改変されたhPSC株が臨床応用における適合性を評価されるのも時間の問題だと考えられます。そこで、細胞品質に新たな焦点が当てられています。

このウェビナーでは、STEMCELL Technologies社のAndrew Gaffney博士とAdam Hirst博士が、研究のさまざまな段階を通して高品質のhPSCを維持・評価する方法について説明しています。

hPSCの遺伝的安定性

--ヒト多能性幹細胞の遺伝子安定性--

Genetic Stability of Human Pluripotent Stem Cells

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ヒト多能性幹細胞(hPSC)は、ヒトの疾患をモデル化するための貴重なツールであり、再生医療や創薬に使用される分化した細胞の供給源です。医療においてhPSCを使用するための本質的な必要条件は、hPSCの長期維持における遺伝的安定性の保証です。

しかし、in vitroでの環境に適応するために、hPSCは、分化および/または細胞死に対して感受性が低くなるような遺伝的変化を獲得することがあります。hPSCにおける増殖速度の増加を伴う遺伝的変化は、がん細胞の明確な特徴を連想させるので、臨床応用におけるhPSCの安全な使用に懸念が高まっています。

hPSCの遺伝的変化の原因と影響の調査は、hPSC培養における遺伝的変化の発生を最小限に抑えるために有用な情報を提供できます。

このウェビナーでは、シェフィールド大学のPeter Andrews博士とIvana Barbaric博士が、hPSCの遺伝的変化の原因と結果について説明しています。

トピック

  • hPSCにおける反復性遺伝子異常
  • 培養におけるhPSCの遺伝変異の出現、および、持続性における突然変異および選択の役割
  • hPSCのシングルセル継代における選択圧(淘汰圧):コロニー形成を制限する複数のボトルネック
  • hPSC培養におけるモザイク現象の検出
  • 再生医療におけるhPSC遺伝変化の示唆

hPSCのためのデータ品質と規格

--多能性幹細胞のデータ品質と規格--

Data Quality and Standards for Pluripotent Stem Cells

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このウェブセミナーでは、BCRT(Berlin-Brandenburg Center for Regenerative Therapies)のAndreas Kurtz博士が、細胞株の利用可能性、倫理的に考慮すべき事項などを含めた、ヒト多能性幹細胞研究におけるデータと品質基準について説明しています。

hPSC品質のために必須の検討事項

--hPSC品質:遺伝子編集、クローニング、維持および疾病モデリングのための重要な検討事項--

hPSC Quality: Essential Considerations for Gene Editing, Cloning, Maintenance and Disease Modeling

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CRISPR-Cas9技術により、ゲノム編集されたヒト多能性細胞株が増えています。このウェブセミナーでは、大脳オルガノイドを使用した疾患モデリング法の例をもとに、hPSC培養において重要な品質管理について説明します。

全エクソーム配列から判明したhPSCの遺伝的変異

--全エクソーム配列決定はhPSC培養における選択圧とドミナントネガティブ変異を明らかにする--

Whole Exome Sequencing Reveals Selective Pressures and Dominant Negative Mutations in hPSC Cultures

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このウェビナーでは、Kevin Eggan教授(ハーバード大学)とFlorian Merkle博士(ケンブリッジ大学)が、世界の100を超えるヒトES細胞株(hES)の全エクソーム配列決定により、ヒト多能性幹細胞(hPSC)培養における遺伝的変異を明らかにした事、および再生医療と他の応用のための高品質なhPSCの維持の重要性について説明しています。

トピック

  • 世界の100株以上のhES細胞株の全エキソームシークエンシング
  • intrinsic biologyについて学んだ教訓
  • p53遺伝子変異の自発的獲得またはエンリッチメント
  • 発生生物学、疾患モデリング、再生医療への応用に向けた、高品質なhPSCの維持の重要性



ウェビナーで議論された研究は、Nature誌に掲載されています。

Nature: Human pluripotent stem cells recurrently acquire and expand dominant negative P53 mutations.

hPSCの高品質なセルバンク作製

--高品質セルバンクの作製によるhPSC研究の再現性向上--

Improving Reproducibility of Your hPSC Research by Generating a High-Quality Cell Bank

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膨大な数のhPSC株が利用可能な一方で、品質検査に合格しない細胞株が多いため、どのような細胞株を使用しているかを知ることが重要です。このセミナーでは、STEMCELLTechnologies社のMatthew Hildebrandt博士が、細胞株を特徴づけることが重要である理由を解説します。また、長期的に時間と資金を節約し、プロジェクト全体を通して一貫した細胞を確保するために、十分に特徴づけられた作業用セルバンク(working cell bank)を構築する方法を説明します。

臨床グレードiPS細胞株の品質管理

--臨床グレードのヒトiPS細胞株の品質管理のガイドライン--

Quality Control Guidelines for Clinical-Grade Human Induced Pluripotent Stem Cell Lines

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この講演では、Andrew Gaffney博士(STEMCELL Technologies社)がGlobal Alliance for iPSC Therapies(GAiT)のStephen Sullivan博士とともに、iPS細胞の特性評価の重要性と、細胞療法の開発に伴うリスクと緩和戦略について話し合います。
Stephen Sullivan博士は、Regenerative Medicine 誌に2008年に投稿された「Quality control guidelines for clinical-grade human induced pluripotent stem cell lines.」(Regen Med. 2018 Oct;13(7):859-866.) の筆頭著者です。

関連情報

hPSC研究ツールのご紹介

幹細胞培養ツール

ES/iPS細胞維持培地(mTeSR Plus-cGMP、製品コード:ST-100-0276)

培地交換週2回でも高品質な細胞を維持可能。緩衝作用(pH)の改善とFGF2安定化を実現したES/iPS細胞維持培地です。

クローニング

ES/iPS細胞シングルセルクローニング用サプリメント(CloneR、製品コード:ST-05888)

ヒトES/iPS細胞のシングルセル生存率とクローニング効率を大きく向上させることができる無血清サプリメントです。

細胞品質のチェックツール

hPSC遺伝子解析キット(hPSC Genetic Analysis Kit、製品コード:ST-07550)

プライマー/プローブのミックスが含まれています。複数のhPSC株に対し遺伝子スクリーニングが可能で、迅速かつ費用対効果の高いqPCR-basedキットです。

多能性の評価ツール

ヒトES/iPS細胞の3胚葉分化能評価キット(STEMdiff Trilineage Differentiation Kit、製品コード:ST-05230)

既存あるいは新規に樹立されたhPSC株の3胚葉(外胚葉、中胚葉、内胚葉)への分化能を評価するための、簡便なアッセイキットです。キットに含まれる完全培地とモノレイヤー培養プロトコールによって、1週間以内に再現性良く多能性を評価します。研究室で維持している細胞株や、新たに樹立した細胞株の品質管理を簡便に行えます。

関連製品

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