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特集・クローズアップ

2020/08/31

COVID-19研究ツールまとめ(STEMCELL Technologies社)

  • 細胞分離
  • 用途別細胞培養

ウイルス感染症の新しい診断・治療法やワクチンの開発を目指す研究に活用いただけるよう、研究内容ごとにおすすめのツールをご紹介します。

COVID-19パンデミックの原因である新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の研究が世界中で進められています。STEMCELL Technologies社では、新型コロナウイルス感染症に関する科学的発見を加速するために役立つ高品質な研究用ツールをご提供しております。

オルガノイドを用いた感染症研究

PneumaCult™による呼吸器ウイルス感染の研究

コロナウイルス(CoV)は、SARS-CoV-2ウイルスによって引き起こされるCOVID-19を含む、一般的な風邪から重度の呼吸器疾患までさまざまな病気を引き起こすウイルスの大きなファミリーです。SARS-CoV-2の細胞侵入受容体は最近、独立した研究グループによってアンジオテンシン変換酵素2(ACE2)であることが確認されています。これは、2003年にSARS流行を引き起こしたSARS-CoVの侵入受容体と同じです。 ALI(Air-Liquid Interface、気液界面)培養で成長させたヒトの大・小気道培養物はACE2を豊富に発現しており、COVID-19に対する抗ウイルス介入のターゲットとしてACE2を研究するための生理学的関連性の高いモデルとなります。ALI培養やオルガノイドを用いたウイルス感染を含む呼吸器疾患に関してご紹介いたします。

STEMdiff Kidney Organoid Kitを用いた腎臓モデル

ヒト多能性幹細胞(hPSC)に由来する腎臓オルガノイドは、発達中のヒト腎臓の構造と細胞および分子構造をモデル化します。生体内腎臓と同様に、腎臓オルガノイドは、SARS-CoV-2の結合受容体として広く認識されているACE2と、ウイルスタンパク質のACE2への結合を活性化するTMRPSS2を発現します。さらに、SARS-CoV-2感染と感染性の菌種の複製まで、hPSC由来の腎臓オルガノイドで実証されています。

IntestiCult™による腸内ウイルス感染の研究

腸オルガノイドを2Dオルガノイド由来のモノレイヤーとして培養すると、頂端面と側底面の両面に対して検討することができます。オルガノイド培養システムのこの変更により、SARS-CoV-2を含むウイルス粒子と細菌細胞と腸上皮との相互作用の研究が容易になりました。これらのオルガノイド由来のモノレイヤーは、気液界面(ALI)でエアリフトして、上皮のさらなる分化を行うことができます。

腸オルガノイド由来のモノレイヤーは頂端表面でACE2を発現する

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腸オルガノイドは、IntestiCult™Organoid Growth Medium(Human)で成長させ、オルガノイド由来のモノレイヤーを作成するために播種いたしました。(左)オルガノイド由来の液中のモノレイヤーと、(右) ALI培養されたオルガノイド由来のモノレイヤーの免疫蛍光染色は、頂端表面でのACE2の強い染色を示しています。 スケールバー= 100μm。

STEMdiff™ Cardiomyocyte を用いた心筋細胞の解析

STEMdiff™ Cardiomyocyte Differentiation Kitで生成されたhPSC由来心筋細胞からのTNNT2(cTnT)とACE2のバルクRNAseqデータを調べたところ、これらのhPSC由来心筋細胞は、TNNT2とACE2の両方を発現することがわかっております。心筋細胞におけるCOVID-19 関連研究への応用が期待されております。

hPSC由来の内皮細胞は高レベルのACE2を発現 STEMdiff™ Endothelial Kit

本製品は最近発売されたため、引用文献はあまりありませんが、血管オルガノイドへのCOVID-19の感染が rhACE2の添加によって抑制されることが既に報告されております。

ウイルス感染細胞の安全な処理

感染した細胞から直接ウイルスまたはウイルス成分を回収することは、ウイルスの感染と病原性のメカニズムを明らかにするうえで重要な過程です。得られる結果の精度をさらに向上させるため、以下のような迅速で安全なサンプル処理方法を選択できます。

末梢血単核球(PBMC)の調製

SepMate™

赤血球(RBC)の除去

EasySep™ RBC Depletion Reagent(ST-18170)

rbc-depletion-reagent.jpg

溶血剤を使用せずに免疫磁気分離法でRBCを除去することで、免疫反応を担う白血球への有害な影響を回避できます。STEMCELL Technologies社ではCuriox社とパートナリング契約を結び、操作の自動化も可能となっております。

死細胞の除去

EasySep™ Dead Cell Removal (Annexin V) Kit(ST-17899)

SARS-CoV-2研究での使用例

ウイルスの精製

OptiPrep™(ST-07820)

コロナウイルス研究での使用例

ウイルス感染に対する免疫応答の研究と細胞分離

EasySep™を用いた細胞分離

正しい細胞集団を用いることは、新型コロナウイルスなどの感染に対する免疫応答を研究するための基本です。EasySepなら効率的かつ、わずか8分程度の操作で高い純度の細胞を分離することが可能となります。カラム不使用のため、細胞にストレスがかからずスケールアップも容易です。

EasySepを使用したウイルス研究

EasySep™製品紹介

ヒト用EasySep製品例

  • ヒトCD4+ T細胞をネガティブ分離*
  • 分離時間:8分
  • 純度:94.8 ± 2.3%

  • ヒトCD8+ T細胞をネガティブ分離*
  • 分離時間:8分
  • 純度:85.6 ± 4.9%

  • ヒトNK細胞をネガティブ分離*
  • 分離時間:8分
  • 純度:85.0 ± 8.0%
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*ターゲット以外の不要な細胞に磁気ビーズを結合させて除去する方法です。

細胞分離の自動化

RoboSep™

免疫細胞研究用生体試料・製品

ヒト血液プライマリーセル

ImmunoCult™

ClonaCell™による迅速な抗体作製

モノクローナル抗体作製に最適な半固形クローニング

新しい病原体の研究のために、新規の抗体を迅速に開発する必要があります。ClonaCell(クロナセル)の半固形クローニングを用いて、選択とクローニングを1段階に集約することで、モノクローナルのハイブリドーマ細胞株を効率的に作製できるようになります。

ClonaCell™-HYを使用した抗コロナウイルスモノクローナル抗体開発

ClonaCell™製品紹介

ハイブリドーマ用

ハイブリドーマ作製とモノクローナル抗体産生の全過程のための培地と試薬が含まれています。メチルセルロースベースの半固形培地で選択とクローニングを同時に行い、ハイブリドーマの作製期間を大幅に短縮できます。

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