注目の製品情報
2026/06/08
CloneR™3:ヒト多能性幹細胞のクローニング・生存率を向上するサプリメント
- 用途別細胞培養
CloneR™ 3は、ヒト多能性幹細胞(human pulripotent stem cell: hPSC、ヒトES/iPS細胞)のクローニングおよびシングルセル培養時の生存率向上を目的としたサプリメントです。
遺伝子編集後のクローン樹立やシングルセル播種、凍結融解後など、ストレスの高い条件下における細胞回収率や増殖効率の改善に貢献します。
hPSC培養時の背景・課題
ヒト多能性幹細胞(hPSC)はシングルセル化や低密度播種、凍結融解などの操作において生存率が低下しやすく、クローン樹立や安定した培養におけるボトルネックとなることがあります。
製品概要
CloneR™ 3は、化学的に定義されたAnimal Origin Free(AOF)のサプリメントで、既存の培地に添加することで以下をサポートします:
- hPSCのクローニング効率および播種効率の向上
- ストレス条件(凍結融解、シングルセル化等)後の生存率改善
- 3D培養への移行および増殖のサポート
※様々な培養条件において使用可能(培地の種類に応じて最適条件をご検討ください)
基礎研究用途でのクローニング・培養効率改善に加え、将来的な応用研究を見据えたAOF(Animal Origin Free)培養系の構築を検討されている方にも適した製品です。
主な特長
- シングルセル播種時の生存率を向上
- クローン形成効率の改善
- 凍結融解や遺伝子編集後の回復をサポート
- 3D培養における細胞増殖・収量の向上
- 高濃度(1000X)のため、添加時の培地希釈の影響を軽減
- 化学的に定義されたAnimal Origin Free(AOF)のサプリメント
アプリケーション例
- 遺伝子編集後のクローン樹立
- シングルセル播種
- 凍結保存細胞の回復
- 2D培養から3D浮遊培養への移行
- 3D浮遊培養の維持
データ紹介
シングルセル播種におけるクローニング効率を改善

図1. CloneR™3は、hPSCの単一細胞播種後のクローン形成を向上させる
単一細胞播種はクローン樹立のゴールドスタンダードであるが、一般的に効率の低さが課題となる。4種類のヒト多能性幹細胞(hPSC)株(H1、H9、SCTi003-A、WLS-1C)を用い、FACSベースの細胞播種により96ウェルプレートの各ウェルに1細胞ずつ播種した。 CloneR™3を添加したTeSR™-AOF培地で得られたクローンは、Rhoキナーゼ阻害剤(Y-27632)またはCEPTを使用した場合と比較して、クローン形成効率が有意に向上した。4つの細胞株すべてにおいて、CloneR™3の平均クローン形成効率は 29.6 ± 11.8% であった。 一方、Y-27632およびCEPTの平均クローン形成効率はそれぞれ 9.6 ± 8.5%、11.6 ± 8.3% であり、LN-521でプレコートしたプレート上で、各細胞株につき7つの生物学的反復に基づいて評価された。 統計解析として、各細胞株間の比較に対して両側非対応t検定を実施し、*はp < 0.05、**はp < 0.01、***はp < 0.001を示す。

図2. CloneR™3はY-27632と比較してクローン形成効率を向上させる
4種類のヒト多能性幹細胞(hPSC)株(H1、H9、SCTi003-A、WLS-1C)を、クローン密度(50細胞/cm²)でVitronectin XF™上に播種し、Y-27632またはCloneR™3を添加したTeSR™-AOF培地で培養した。 (A) CloneR™3の添加により、Y-27632と比較してhPSCのクローン形成効率が増加することが示された。 (B) 播種後10日目における2種類のhPSC株(H9およびWLS-1C)のウェル全体の代表画像では、CloneR™3添加条件において、1ウェルあたりに観察されるクローン数の増加が確認された。 統計解析として、各細胞株の比較に対して両側非対応t検定を実施し、*はp < 0.05を示す。
凍結融解後の回復工程で、細胞増殖を改善

図3. CloneR™3は、3D浮遊培養における凍結保存単一細胞の融解後回復を向上させる
凍結保存したhPSCを融解する過程は細胞にとってストレスが大きく、通常は著しい細胞損失や融解後の増殖能低下を引き起こす。単一細胞として凍結保存されたSCTi003-AおよびSCTi004-Aのアグリゲートを、CloneR™3またはY-27632を添加したTeSR™-AOF 3D培地に播種した。 融解後の単一細胞は、非組織培養処理の6ウェルプレートにおいて、オービタルシェーカー上で1 × 10⁵ cells/mLの密度で播種した。 CloneR™3を添加した条件では、Y-27632を添加した条件と比較して、培養4日後の融解後細胞回復率が高いことが示された。2つの細胞株全体で、Y-27632およびCloneR™3における平均細胞収量は、それぞれ 4.1 × 10⁵ ± 10.5%、7.3 × 10⁵ ± 3.6% であった。 各データポイントは、2つのテクニカルリプリケートの平均から算出された1つの生物学的リプリケートを示す。棒グラフは、2つの生物学的リプリケートの平均値 ± 標準偏差(SD)を示す。
3D培養への移行時に細胞収量を向上

図4. CloneR™3は2D培養から3D培養への移行時の細胞収量を向上させる
静置培養である2D培養から3D浮遊培養への移行は、バイオプロセシングにおけるボトルネックの一つであり、hPSCにとってストレスとなり、播種後最初の継代において増殖率の低下を引き起こす可能性がある。 2D培養条件で維持された4種類のhPSC株(H1、SCTi003-A、SCTi004-A、STiPS-M001)を、ReLeSR™を用いて小さな細胞塊に解離し、オービタルシェーカー(軌道径2.5 cm、70 rpm)上で5 × 10⁴ cells/mLの密度で播種した。 4つの細胞株すべてにおいて、CloneR™3を添加したTeSR™-AOF 3D培地に播種したhPSCは、培養4日後において、Y-27632を添加した条件と比較して1.58倍高い細胞収量を示した。 各データポイントは、2つのテクニカルリプリケートの平均から算出された1つの生物学的リプリケートを示す。棒グラフは、3つの生物学的リプリケートの平均値 ± 標準偏差(SD)を示す。 統計解析として、各細胞株の比較に対して両側非対応t検定を実施し、*はp < 0.05を示す。
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