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2025/09/10
クロマチン免疫沈降(ChIP)法におけるDynabeadsの活用|磁性ビーズで高効率な免疫沈降を実現
クロマチン免疫沈降(ChIP)法は、DNAとタンパク質の相互作用を解析するための非常に有効な実験手法です。エピゲノム研究、転写因子解析、ヒストン修飾の同定など、生命科学・医療分野で幅広く活用されています。
本ページでは、ChIP法の基本原理から弊社取り扱いのDynabeads™を用いた実験プロトコル、よくある質問や最新の応用事例まで、わかりやすく解説します。
クロマチン免疫沈降(ChIP)法の原理と仕組み
ChIP法は、細胞内でDNAと結合しているタンパク質を抗体で特異的に沈降させ、結合部位のDNA配列を同定する技術です。
固定(クロスリンク)→ 断片化 → 免疫沈降 → 脱クロスリンク → DNA回収 のステップで構成されます。
Dynabeadsを使ったChIP法のプロトコル概要
- クロスリンクと細胞破砕
ホルムアルデヒドで固定後、細胞を破砕して核を回収。 - クロマチンの断片化
超音波処理または酵素でDNAを約100〜500bpに断片化。 - Dynabeadsによる免疫沈降
あらかじめ抗体を結合させたDynabeadsを使用してターゲットをキャプチャー。対象タンパク質を磁力で迅速・効率的に回収。 - 洗浄とDNAの抽出
磁石を用いて洗浄を繰り返す事で迅速にバックグラウンドを除去。その後、脱クロスリンクを行いDNAを抽出。 - 解析
回収したDNAは、qPCRやChIP-seqで解析可能。
Dynabeads使用のメリット
- 非特異的結合が少ない: 表面が均一なため、バックグラウンドが低減
- 迅速で簡単: 磁石で回収するため、遠心分離不要で時短に
- 再現性が高い: ビーズサイズが均一で、ロット間差や実験間でのバラつきが少ない
- 多様な抗体に対応: DynabeadsにはProtein A, Gタイプや2次抗体タイプがあり、抗体の種類に合わせて選択可能
- 自動化対応: ロボット操作にも適応し、高スループットに対応
ChIP-seqでの組み合わせ
Dynabeadsを用いたChIPは、次世代シーケンサーとの相性も良好です。
高純度なDNAが得られるため、ChIP-seq解析でのピーク同定やノイズ低減に貢献します。
応用例と研究事例
以下は、実際にDynabeadsをご利用いただいた研究者様からのレポートになります。
よくある質問
質問をクリックすると回答が表示されます。
Dynabeadsはどの種類を選べばいいですか?
抗体の種類に合わせてご選択ください。クロマチン免疫沈降では、Dynabeads Protein A/Gもしくは二次抗体結合Dynabeadsが利用される事が多いです。Dynabeads Protein A/Gは、結合容量が大きく、迅速な実験に幅広くご利用いただけます。
二次抗体結合Dynabeadsは、クロマチンに対する非特異結合が少なく、バックグラウンドの低いデータが得られる場合が多いとされています。
Dynabeadsを使う場合、どのくらいの量が必要ですか?
一般的に10〜50μLのビーズで十分です。サンプル量や抗体の親和性に応じて調整可能です。他のビーズと何が違うのですか?
Dynabeadsはビーズが均一で、非特異的結合が少なく、プロトコルの再現性が高いのが特徴です。 その他のFAQはこちら>>
まとめ
クロマチン免疫沈降法の効率と再現性を高めるには、信頼性の高い磁性ビーズが不可欠です。
Dynabeads™は、ChIP法に最適化された高品質な磁性ビーズとして、世界中の研究者に支持されています。
Dynabeadsのサンプル、購入について
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