STEMCELL Technologies STEMdiff STEMdiff Hepatic Organoid Growth Medium
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STEMdiff™ Hepatic Organoid Media (GrowthおよびDifferentiation Medium)は、ヒト多能性幹細胞(hPSC)由来の肝細胞から肝臓オルガノイドを樹立、拡大、分化させるための無血清培地です。hPSC由来肝臓オルガノイドは柔軟性ある培養法に対応して成熟した肝細胞の主要な特徴を示すため、発生生物学、疾患モデル、創薬研究において従来モデルに代わり汎用性が高く拡張性ある選択肢を提供します。
STEMdiff™ Hepatic Organoid Mediaのワークフローには、個別に購入可能な以下2種類の培地製品が含まれます:
STEMdiff™ Hepatic Organoid Growth Medium:新鮮または凍結保存hPSCから肝臓オルガノイドを樹立し増殖させます。得られたオルガノイドはスケールアップや長期増殖が可能であり、実験やバイオバンキングに使用可能です。
STEMdiff™ Hepatic Organoid Differentiation Medium:より成熟した肝臓の表現型を示すhPSC由来オルガノイドを生成します。
本品はSTEMdiff™ Hepatocyte Kit と組み合わせることにより、mTeSR™1、mTeSR™ Plus、またはeTeSR™で維持されたhPSC株からの肝臓オルガノイド樹立、増殖、分化のための完全なワークフローを構築することができ、ヒト肝臓生体組織の調達は不要となります。得られたhPSC由来肝臓オルガノイドは、96ウェルおよび384ウェルプレートアッセイ、浮遊培養、ゲノム編集、2D(オルガノイド由来)単層培養など、さまざまな培養プロトコルに適応可能です。
製品の特長
STEMdiff™ Hepatic Organoid Growth Mediumで、ヒト多能性幹細胞(hPSC)由来肝細胞から肝臓オルガノイドを確実に樹立・拡大
- プライマリのヒト肝組織を用いることなく、多能性幹細胞由来肝細胞から確実にヒト肝臓オルガノイドを生成
- 多様な培養形式、アッセイに対応可能なオルガノイドで研究を加速
- 増殖・凍結保存が容易なオルガノイドで実験をスケールアップ可能
データ紹介
図1. STEMdiff™ Hepatic Organoid Mediaの使用により、hPSC由来肝細胞オルガノイドの確立、増殖、および分化が可能となります
(A)成熟肝臓オルガノイドは、hPSC由来のHLC(肝細胞様細胞)またはHP(肝前駆細胞)から作製することができます。HLCまたはHPの作製方法については、STEMdiff™ Hepatocyte Kit(ST-100-0520)の製品説明書をご参照ください。HLC(推奨)またはHPを機械的に解離し、一部をMatrigel®ドーム内にクランプ(細胞塊)として再播種後にSTEMdiff™ Hepatic Organoid Growth Medium(ST-100-1773)で培養すると、7~14日以内にコンフルエントとなります。オルガノイドはSTEMdiff™ Organoid Growth Medium での継代により6~8日ごとに拡大培養が可能ですが、クランプを凍結保存することもできます。 (B)継代を1回おこなった後、 STEMdiff™ Hepatic Organoid Differentiation Medium(ST-100-1774)の培養系に切り替えることで、より成熟した肝細胞系譜への分化を誘導できます。 hPSCs = ヒト多能性幹細胞;HPs = 肝前駆細胞;HLCs = 肝細胞様細胞
図2. HPおよびHLC由来の肝臓オルガノイドは STEMdiff™ Hepatic Organoid Mediaを用いて安定的に産生・拡大培養することができます
hPSC 由来の肝臓オルガノイドは、STEMdiff™ Hepatocyte Kit を用いて作製したHP(肝前駆細胞)および HLC(肝細胞様細胞)から樹立でき、その後少なくとも10継代にわたって増殖が可能です。上段の図はSTEMdiff™ Hepatic Organoid Growth Medium で培養された HPおよびHLC由来オルガノイドの代表的な画像です。(A, B)はHP由来、(C, D)はHLC由来の肝臓オルガノイドをそれぞれ継代回数1回と9回で比較しています。下段の図はSTEMdiff™ Hepatic Organoid Differentiation Mediumでさらに分化させた際の画像です。(E,F)はHP由来、(G, H)はHLC由来の肝臓オルガノイドをそれぞれ継代回数1回と9回で比較しています。なお、使用したHP および HLC 由来肝臓オルガノイドは、同一の hPSC 系統に由来しています。 hPSC = ヒト多能性幹細胞;HPs = 肝前駆細胞;HLCs = 肝細胞様細胞
図3. 増殖中の肝オルガノイドは肝前駆細胞、分化した肝オルガノイドは成熟肝細胞の特徴を示します
(A–C) STEMdiff™ Hepatic Organoid Growth Medium で培養した肝臓オルガノイドは、上皮マーカーEPCAM、増殖マーカーKI67、胆管系マーカーCK19 およびSOX9、さらに胎児血清タンパク質マーカーAFP を発現しています。 (D–F) STEMdiff™ Hepatic Organoid Differentiation Mediumで分化誘導した肝臓オルガノイドは、成熟肝細胞マーカーALBおよびA1AT、ならびに肝特異的転写因子HNF4A を発現しています。一部のオルガノイド領域では、肝前駆細胞/胆管マーカーであるAFPおよびCK19の発現が保持されています。DAPI により核をカウンターステインしています。
図4. STEMdiff™ Hepatic Organoid Growth Mediumにより、hPSC由来肝臓オルガノイドの効率的な樹立・拡大が可能です
(A) STEMdiff™ Hepatic Organoid Growth Mediumは、HP(肝前駆細胞)よりもHLC(肝細胞様細胞)からのオルガノイド樹立をより効率的にサポートします。24ウェルプレート1ウェル分のHLCからは、HPの1ウェル分よりも有意に多くのオルガノイドが生成されます。(N=3細胞株)(B) STEMdiff™ Hepatic Organoid Growth Mediumで拡大培養したHPおよびHLC由来のオルガノイドは、樹立後は10継代にわたって同程度の平均増殖率を示します。(N=3 細胞株) 誤差範囲 = SD。統計解析には Welch のt検定を使用(**** p 値 < 0.0001)。HPs=肝前駆細胞;HLCs=肝細胞様細胞
図5. STEMdiff™ Organoid Growth Medium で維持されたHLC由来オルガノイドは凍結保存が可能で、解凍後も効率的に再増殖・拡大培養することができます
(A) HLC 由来オルガノイドはクランプ(細胞塊)として凍結保存することができ、解凍後も高い回収率で再びクランプを得ることができます。(N=3 細胞株)(B) 回収後のクランプは増殖能を維持しており、STEMdiff™ Organoid Growth Medium で継代時、複数回にわたり増殖させることができます。凍結保存したクランプから樹立されたオルガノイドの増殖速度は、これまで凍結歴のない細胞を同じ条件で培養した場合と同等です。(N=3細胞株) 誤差範囲=SD。
図6. STEMdiff™ Hepatic Organoid Differentiation Mediumを用いて分化させたHP・HLC由来肝オルガノイドは、肝成熟に見合った遺伝子発現を示します
hPSC 由来肝臓オルガノイドは樹立後に最大10継代まで拡大培養した後に分化させ、一部回収してqPCR による遺伝子発現解析をおこないました。分化誘導10日目のHP および21日目のHLCを用いて、STEMdiff™ Hepatic Organoid Differentiation Medium(hODM)で三次元オルガノイド培養してさらに成熟させた場合には、成熟肝細胞マーカー ALB, ASGR1, CYP3A4 の発現が上昇しており、一次ヒト肝細胞(PHH)と同程度のレベルを示しました。一方、同じHPおよびHLCを用いた二次元培養(2D HPおよび2D HLC)では、これらの成熟肝細胞マーカーの発現はそれよりも低い傾向が見られました。なお、各遺伝子の発現レベルはハウスキーピング遺伝子の発現レベルで正規化されています(**** は調整後p値< 0.0001、** は調整後p値=0.0035、* は調整後p値=0.0397 を示します)。PSC = ヒト多能性幹細胞;HPs = 肝前駆細胞;HLCs = 肝細胞様細胞;ALB = アルブミン;PHH = 一次ヒト肝細胞;hOGM = STEMdiff™ Hepatic Organoid Growth Medium;hODM = STEMdiff™ Hepatic Organoid Differentiation Medium
図7. STEMdiff™ Hepatic Organoid Mediaを用いた分化誘導によるHLC由来オルガノイドの成熟が、RNAシーケンス解析により確認できました
STEMdiff™ Hepatic Organoid Differentiation Medium でさらに分化させた HLC 由来オルガノイドでは、成熟肝細胞の特徴および機能に関連する以下のマーカーの発現が上昇しています。血清タンパク質合成:ALB、第1相・第2相薬物代謝:CYP2B6、CYP2C9、CYP3A4、UGT1A1、GSTA1、グルコース代謝:SLC2A2、GYS1、G6PC、脂質・コレステロール代謝:FASN、PLIN2、NR1H3、胆汁酸合成:CYP27A1、BAAT、尿素合成:OTC、ARG1。また、分化した HLC 由来オルガノイドでは、胎児性肝細胞マーカー AFP の発現低下も見られました。 各カラムは、HLC からオルガノイド樹立後におこなった最初の継代において細胞を採取し、バルク RNA-seqで解析した2つの生物学的リプリケートを示しています。 細胞を採取したタイミングは STEMdiff™ Hepatic Organoid Growth Medium による培養 では9 日目 、STEMdiff™ Hepatic Organoid Differentiation Medium による培養 では19 日目です。 なお、正規化のための基準としてハウスキーピング遺伝子 TBP が含まれます。 hPSC = ヒト多能性幹細胞;HPs = 肝前駆細胞;HLCs = 肝細胞様細胞;ALB = アルブミン;PHH = 一次ヒト肝細胞;AFP = アルファフェトプロテイン








