ラーニングコーナー

2018/07/02

ヒト気道 in vitro 3Dモデル 肺オルガノイドの3次元培養「PneumaCult-ALI」

  • 用途別細胞培養

従来の2次元(2D)細胞培養モデルは、肺における基礎的・臨床的研究の両方に大きな影響を与えてきました。しかし、臨床上での観察とin vivoを比較した場合では本質的な相違があるため、研究に関する質問に対して最終的に答えることができません。

肺オルガノイド確立への背景

肺オルガノイド確立への背景

最近の肺上皮前駆細胞および間質細胞単離法の進歩ならびに肺発生に重要な幹細胞ニッチ因子は、肺オルガノイド(pulmonary/lung organoid)(※)と呼ばれるin vitro 3次元(3D)培養系の確立につながりました。 肺オルガノイドは呼吸器の基礎研究や毒性研究および薬物開発のための貴重なツールとなり得ます。そのロバストでdefinedな3Dシステムを紹介いたします。
※肺オルガノイド培養システムは、気道上皮細胞のin vitro 3次元培養を指します。本稿では、気道上皮細胞の種類の違いによって、気管支上皮細胞由来肺オルガノイド(bronchospheres pulmonary organoid)・気管上皮細胞由来オルガノイド(tracheosphere pulmonary organoid)などと表しています。

PneumaCult-ALIで生成された気管支細胞由来 肺オルガノイドの形態

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【動画】光学顕微鏡による観察:PneumaCult-ALIで培養した気管支細胞由来の肺オルガノイド

この動画では、肺オルガノイドの内腔内にある繊毛のビィーティングによって旋回している内腔の粘液を示しています

肺オルガノイドの3D培養法

最適化されたPneumaCult-ALIでの3D培養系

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PneumaCultの培養システム

凝固した40% Matrigel層の上に播種したプライマリー気管支上皮細胞(HBECs)もしくは気管上皮細胞(HTEpC)から、2〜4週間以内に肺オルガノイドを形成可能です。
この3D培養系により、ヒト気道をin vitroで再現することができます。
得られた肺オルガノイドは、杯細胞(粘液を内腔に分泌可能)および内腔を向く繊毛細胞を含む自己組織化偽重層上皮を形成します。
この培養技術は、細胞培養のためのインサートを必要とせず、そのためハイスループット培養を容易にするin vitroで気道モデリングの代替法となります。

ALI培養システムは呼吸器生物学、感染および疾患研究のための生理学的に適切なモデルを提供します。

肺胞上皮細胞(HPAEpiC)は、STEMCELL Technologies社での検討はされていません。
参考:肺胞上皮細胞を培養した例(Qi Tan et al)

PneumaCult-ALI(製品コード:STI-05001)およびPneumaCult-Ex Plus(製品コード:STI-05040)は、in vitroで気道モデリング用の完全に統合されたBPE(ウシ下垂体抽出物)フリーの培養システムを構成します。

気管支上皮細胞由来 肺オルガノイドのHE染色およびPAS染色

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杯細胞および繊毛細胞の存在 黒矢印:内腔を向いている繊毛細胞 赤矢印:杯細胞

疾患モデルのアプリケーション例

  • 喘息
  • 慢性閉塞性肺疾患(COPD)
  • 杯細胞過形成および過分泌
  • 嚢胞性線維症
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ウェビナーのご案内

ウェビナー:ヒト気道オルガノイドモデルの検討

STEMCELL Technologies社が提供するウェビナーです(視聴にはSTEMCELL Technologies社のホームページ上でのログインが必要です)。

<演者>Dr. Michael Riedel
<内容>PneumaCult-ALIの概要およびALI培養に最適化された方法についての説明

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