研究者の声

2020/08/24

CD8 Tregの生成・生体内維持メカニズムの解明 研究者の声【24】

  • 用途別細胞培養

今回は滋賀医科大学で制御性T細胞の研究をしている里岡 大樹先生にDynabeads Mouse T-Activatorを使用した感想や、研究内容の詳細についてお聞きしました。制御性T細胞は自己免疫疾患に関連して様々な研究がおこなわれており、里岡先生は特にCD8+Tregにフォーカスした研究をされています。

【研究者紹介】

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 滋賀医科大学 生命科学講座 生物学
 助教 里岡 大樹様

 研究室HP http://www.shiga-med.ac.jp/~hqbio/

【研究内容】

免疫系は、体内に侵入してきた病原体を排除して体を守るためのものですが、自身の細胞や組織に過剰に反応して攻撃を加えてしまうことにより「自己免疫疾患」になったり、外界の物質に対して過剰に反応してしまうことにより「アレルギー疾患」になったりします。わが国ではこれらの疾患が増え続けており、21世紀に克服すべき重要疾患として位置づけられています。しかし、その治療法は未だ確立していません。
我々は、この免疫系の過剰な応答による病態のメカニズムの解明を目指して研究しています。

研究室全体では、T細胞、B細胞ならびに好中球など様々な免疫細胞に着目して解析を進めていますが、私は制御性T細胞(Treg)に焦点を当てています。TregにはCD4陽性Treg(CD4 Treg)とCD8陽性のTreg(CD8 Treg)の細胞系譜が存在し、これらTregの維持破綻は自己免疫疾患の発症につながります。Foxp3をマスター転写因子とするCD4 Tregに関しては、その発生、維持などの詳細が明らかになりつつありますが、CD8 Tregに関しては比較的新しく同定されたサブセットであるため、その理解は進んでいません。
そのため、CD8 Tregの生体内維持および分化機構のメカニズムの解明を目指して研究しています。

【Dynabeadsの活用事例】

Dynabeads Mouse T-Activator CD3/CD28をT細胞の活性化に使用しています。
T細胞はT細胞受容体(TCR)を介して抗原特異的に活性化しますが、in vitroでのT細胞活性化には抗CD3抗体および抗CD28抗体が使用されます。
これらの抗体は抗体の固相化が必要ですが、Dynabeads Mouse T-Activator CD3/CD28を用いることによって、効率よくT細胞を活性化することができ、
T細胞の効率的な培養やTCR刺激(および共刺激)による細胞シグナルの解析が可能になります。

TregにおけるTCRおよび共刺激によるAktのリン酸化の解析
マウス脾臓より単離したCD4 T細胞およびCD8 T細胞において、Dynabeads Mouse T-Activator CD3/CD28による活性化刺激を30分間行った。
未刺激のものと比較してDynabeads Mouse T-activator CD3/CD28による活性化刺激を行ったCD4 Treg(CD3+CD4+CD25+Foxp3+)およびCD8 Treg(CD3+CD8+CD44+CD122+Ly49+)は、Aktのリン酸化の上昇が確認された(図1)。

研究者の声【24】見出し3.jpg

1:Dynabeads Mouse T-Activator CD3/CD28刺激によるAktのリン酸化の解析

【Dynabeadsを使用しての感想】

Dynabeads T-Activator CD3/CD28の評判を耳にし、実際に自身でも検証したところ確実にT細胞を活性化することができました。
抗体の固相化なども必要ないため、実験にかかる時間の短縮や実験結果のばらつきなどが解消され実験の効率化にも役立っています。

【プロトコル紹介】

  1. マウスリンパ器官よりT細胞を単離し、Serum-freeのRPMI1640培地で最低1時間培養する。
  2. Dynabeads Mouse T-Activator CD3/CD28を完全培地で洗浄し、2.5 μLのT-Activatorあたり50 μLの完全培地に懸濁する。
    T-Activatorは4 x 10⁴胞数あたり1 μLで使用。
  3. 細胞数をカウントし、完全培地に1 x 10⁵ cells/50 μLになるように調整する。
  4. 5 mL round tubeに50 μL T-activatorと50 μL 細胞懸濁液に加え、37℃でインキュベートする。
  5. Beadsを取り除くためピペッティングした後、3 mLのFACS bufferを加えてDynaMagを利用してBeadsを取り除く。
  6. 遠心後、4% PFAで固定、ice-cold MeOHで透過処理した後、抗体染色。
  7. フローサイトメトリー解析。

【ご利用いただいた製品】

製品コード

製品名

梱包単位

DB11456

Dynabeads Mouse T-Activator CD3/CD28

0.4 mL

DB11452

Dynabeads Mouse T-Activator CD3/CD28

2 mL

DB11453

Dynabeads Mouse T-Activator CD3/CD28

10 mL

DB12321

DynaMag-2

1個

DB12303

DynaMag-5

1個

DB12302

DynaMag-50

1個

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