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研究者の声

2018/11/27

次世代シーケンサー解析を用いた微生物ゲノム進化の研究にベリタス取扱製品を使用 研究者の声【8】

研究者紹介

荒川和晴先生.jpg

慶應義塾大学 先端生命科学研究所 准教授

荒川 和晴 先生

HP:http://bioinformatician.org/glab/

荒井先生1.png
荒井先生2.png
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研究内容

私たちの研究室では、興味深い特徴を持つさまざまな「非モデル生物」を用いて、下記の6つのテーマを研究しています。

(1) 「生」と「死」のオミックス:クマムシ乾眠機構の解析

(2) クモ糸など超高機能構造タンパク質による素材産業革命

(3) 生命情報科学のためのソフトウェア開発

(4) ゲノム情報に基づいたシステム生物学

(5) 複製するメディアとしてのバクテリアゲノム構造の秩序

(6) その他非モデル生物の解析

インタビュー

1. Dynabeadsを用いてどのような研究を行っていらっしゃいますか?

最近、上記研究テーマ(5)に関連する論文を発表しました。 この研究の中で、Dynabeads MyOne Streptavidin C1を使用しています。

【発表論文】

Kono N., Tomita M., Arakawa K. Accelerated laboratory evolution reveals the influence of replication on the GC skew in Escherichia coli. Genome Biol Evol. 2018 Oct 29. doi: 10.1093/gbe/evy237. PMID: 30371772.

【発表内容】

  • 微生物ゲノムは、リーディング鎖全域においてG:Cの含量比の片寄りを示すことが知られています(GC skew)
  • GC skewの原因は、複製時にリーディング鎖が一本鎖でいる時間がラギング鎖よりも長いために、脱アミノ化によるC-to-U置換反応が起こりやすいことが原因であるという仮説が提唱されていたものの、その証明は手つかずでした。
  • 本研究では、大腸菌のラボ内高速進化系を構築し、上記の仮説の証明に世界で初めて成功しました。

◆ 私たちは、一本鎖DNAのみをシーケンスする手法を開発し、4S-Seqと名付けました。(図A)

  1. タラバガニ由来のDuplex-specific nucleaseという酵素により、二本鎖DNAを除去
  2. 特異的に設計したビオチンアダプターを一本鎖DNAに付加
  3. ストレプトアビジンの結合したDynabeadsにより一本鎖DNAを選択的に回収し、抽出
  4. 次世代シーケンサーによる解析

上記4つのステップで実験を行い、一本鎖DNAのポジションとその領域におけるGC skewを決定しました。
(結果:図B)

大腸菌内の一本鎖DNAは極微量(最終産物約1.5ng)のため、高い回収効率を示すDynabeads MyOne Streptavidin C1が非常に役立ちました。

ssDNA.png

                    Kono N. et al., Genome Biol Evol. 2018を改変

2. 上記の実験におきまして、Dynabeadsを選ばれたのはどのような理由でしょうか?また、ご使用されてのご感想はいかがでしょうか?

  • 学会などでDynabeadsの良い評判は耳にしており、また、先行研究や推奨プロトコルでもDynabeadsが使用されていました。
  • 実際に使用してみて、ビオチン精製の効率が高く満足しています。
  • マグネットを用いた操作も簡便です。サンプル数が多い際には、カラムを用いた実験に比べると明らかに操作時間が短縮できます。

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