ログインVERI+CLUB へログインが必要です。
メールアドレス
パスワード

パスワードを忘れた方

注目の製品情報

2025/04/11

mRNA合成・精製用磁気ビーズ - mRNA医薬の開発製造などに -

  • 創薬支援

2026/2/10 更新

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のmRNAワクチン開発成功を経て、世界的にmRNAを用いた医療モダリティ(以下、mRNA医薬)への注目は高まりました。さらなる臨床開発が期待される中、mRNA医薬の開発・製造方法の標準化には至っていません。

開発から製造までを考慮し、GMPグレードでのスケールアップが行えるmRNAの合成と精製用Dynabeadsが開発されました。操作が容易で柔軟性があり、再利用可能かつ自動化もおこなえ、研究室規模から商業規模まで対応可能です。

加えて、mRNA医薬開発だけではなく、CRISPR guide RNA workflows、一過性のRNAやタンパク質発現研究に適したmRNAを迅速に合成・精製可能であり、創薬のための抗体やタンパク質のハイスループットスクリーニングなどにも用いることができます。

mRNA合成用ビーズ

mRNA合成では、Dynabeads Streptavidin for In Vitro Transcriptionを用います。

PCRで増幅されたビオチン化DNAテンプレートまたは線形化されたプラスミドDNAを用いてmRNAを合成します。ビオチン化されたテンプレートは事前精製を必要とせず、直接ストレプトアビジンビーズに固定され、In Vitro転写が行われます。ビーズに結合したテンプレートは磁気分離により合成されたmRNAから回収でき、少なくとも6回のin vitro転写反応に再利用可能です。テンプレート使用量を抑えることは、コスト削減にも繋がります。

加えて、in vitro転写反応後のテンプレートDNAは、以降のステップにおいて不要な汚染物質となり除去する必要があります。DNaseⅠによる分解やカラムベースの複数の精製工程を行う場合では、時間と手間がかかる作業であり、各精製過程は合成物のロスに繋がります。一方で、磁気分離によるテンプレートDNA回収では、DNase分解ステップを必要としないため、煩雑さが大幅に軽減され、次の精製ステップに直接進むことができます。

mRNA_biotin_flow.jpg

mRNA精製用ビーズ

mRNA精製では、Dynabeads Carboxylic Acid for RNA Purificationを用います。

in vitro転写工程で得られたcrudeなmRNAを、Carboxylic Acid ビーズと混合し、Dynabeads RNA Binding Bufferを加えることでmRNAはビーズの表面に結合します。その後に磁気分離により余剰塩基や酵素などの不要な成分を除去します。上清を除いたビーズから、TEやlow-salt bufferを用いて目的mRNAを溶出できます。このように、結合・洗浄・溶出の簡単なプロセスで効率的にmRNAを精製できます。また、mRNA中の不要なdsRNA量が精製前と比べて減少することが確認されています。

mRNA_purification_flow_2.jpg

ビーズ再利用の有用性

mRNA合成の収量、完全性、DNA溶出

PCRテンプレート 2μgに対して、2mgのストレプトアビジンビーズを加え、液量200 μL、37℃ 2時間のin vitro転写を、テンプレート結合ビーズを再利用し6回の合成を行いました。

DynabeadsSA_data1.jpg
DynabeadsSA_data2.jpg
DynabeadsSA_data3.jpg

左)Qubit4 RNA BR assayにより、 再利用を行った6回ともに一貫性のあるmRNAの高収量が認められました。
中央)Agilent BioAnalyzerを用いて、一貫性のある合成mRNAの高い完全性が認められました。
右)qPCRによりビーズから溶出したテンプレートDNAを測定すると、μg単位のcrude RNA中にpg単位のDNAしか検出されませんでした。DNase Ⅰ処理や分離精製ステップは行っておりません。また、LC-MS/MS によるcrude RNA中のヌクレオシド定量では、総核酸中のDNAは0.01%未満であることが確認されました (data not shown)。

mRNA精製の回収率、完全性、タンパク質除去率

crude mRNA 4.1-4.8 mgに対して、1mgのCarboxylic Acid ビーズを加え、等量のDynabeads RNA Binding Bufferを加えた後、室温で結合・洗浄・溶出を行いました。Carboxylic Acidビーズを再利用し6回の精製を行いました。

DynabeadsCA_data1.jpg
DynabeadsCA_data2.jpg

左)一貫性のある合成mRNAの高い回収率が認められました。
右)一貫性のある合成mRNAの高い完全性が認められました。

磁気ビーズを用いた効率化

磁気ビーズを用いたin vitro転写は、従来の方法と比べてmRNA収率が約20%減少する可能性があります。しかし、テンプレートDNA結合ビーズを6回再利用することで、テンプレート単位あたりの収率は、従来法に比べて約5倍となります。

また、プラスミドテンプレートを6回再利用することで、プラスミド生成に必要な抗生物質量が減少します。例えば、50gのmRNAを合成するには32Lの大腸菌培養が必要ですが、磁気ビーズin vitro転写では6Lで十分です。さらに、PCRテンプレートをプラスミドの代わりにmRNA合成に使えば、この問題をさらに低減できる可能性があります。以下の例では、50gのmRNAを作るために、大腸菌培養は2mLだけで十分です。

mRNA_scale.jpg

加えて、磁気ビーズを用いた精製は非常に効率的な手法であり、90%以上の回収率がみられます。カラムを用いた精製は通常効率が低く、平均回収率は70%です。複数の精製工程が必要であるために、精製mRNA最終収率は磁気ビーズ法に比べてはるかに低くなります。

スケールアップ・自動化に対応

μg単位からg単位の必要なスケールとスループットに合わせて手動と自動化を切り替えてmRNAを合成できます。DynabeadsはKingFisher装置による自動化に対応しています。テンプレートDNAの固定からmRNAの精製までを96-wellプレートならば約3.5時間で行うことができ、1ウェルあたり最大5mgのmRNAが得られます。ハイスループットスクリーニングが可能です。

磁気ビーズin vitro転写では、得られるmRNA収率は磁気ビーズ/テンプレートおよび試薬の量のみに依存する線形関数で増加します。この相関には精製段階が非常に影響を与え、従来のカラムを用いた精製では容易に拡張することはできません。このスケーラビリティによりmRNA生産プロセスが効率化され、開発および製造段階で同じ技術を使用できるため、時間と資源を削減します。

Dynabeads_rna_scaleup1.jpg

包括的な品質システムと文書

本製品は、以下のサポートがなされています。

  • ISO 13485認証品質管理制度のもとで製造、ISO 20399の要件を考慮して開発されました
  • 動物由来フリー(AOF)製造プロセス・設備および原材料
  • 検証済みの製造プロセスと分析手法
  • 製品固有の安定性データ
  • 不純物プロファイル
  • 該当する場合は検証済みのcompendial test methods
  • βラクタムフリー施設で製造
  • CoA、COO、TSE/BSE statement、nitrosamine statement、melamine statementなど、品質サポート文書が利用可能です

製品情報

Dynabeads Streptavidin for In Vitro Transcription、Dynabeads Carboxylic Acid for RNA Purification、Dynabeads RNA Binding Bufferだけでなく、これらのセット製品も取り扱っています。

製品名 製品コード 容量 製品構成
Dynabeads Streptavidin for In Vitro Transcription DB65005 2 mL
DB65006 10 mL
Dynabeads Carboxylic Acid for RNA Purification DB65020 2 mL
DB65021 10 mL
Dynabeads RNA Binding Buffer DB65040 20 mL
DB65042 50 mL
Dynabeads RNA Purification Kit DB65030 1 kit Carboxylic Acid for RNA Purification (2 mL)
RNA Binding Buffer (20 mL)
DB65032 1 kit Carboxylic Acid for RNA Purification (10 mL)
RNA Binding Buffer (50 mL)
Dynabeads In Vitro Transcription and RNA Purification Kit DB65034 1 kit Carboxylic Acid for RNA Purification (2 mL)
RNA Binding Buffer (20 mL)
Streptavidin for In Vitro Transcription (2 mL)
DB65036 1 kit Carboxylic Acid for RNA Purification (10 mL)
RNA Binding Buffer (50 mL)
Streptavidin for In Vitro Transcription (10 mL)

GMPグレードでの大量製造に適した大容量品その他の柔軟な対応が可能です。詳しくはお問い合わせ下さい。

関連リンク

意外と知られていない!? Dynabeads (ダイナビーズ) で何ができるかまとめてみました!

関連製品

記事に関するお問い合わせ