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ラーニングコーナー

2014/03/04

注目の文献:ヒトES/iPS細胞培養の基質にLaminin-521を使用

  • 用途別細胞培養

組成が明らかでゼノフリーなヒト組換え完全長ラミニンLaminin-521(BioLamina社)を、ヒトES/iPS細胞(多能性幹細胞、hPSC)培養の基質に用いた2つの文献をご紹介します。

ヒトES細胞の高効率なクローン化培養

文献内容

組成が明らかでゼノフリーな、ヒト組換え完全長ラミニンLaminin-521(BioLamina社)とE-cadherinを培養基質に使用し、ヒトES細胞の高効率クローン化培養に成功した文献をご紹介します。

スウェーデン・カロリンスカ研究所のRodinらは、ヒトES細胞をLaminin-521とE-cadherin上でクローン化培養しました(96-wellプレートに1 cell/wellおよび<150 cells/cm2)。細胞をシングル化して継代し、長期安定培養することに成功しています。 培地はmTeSR1 や TeSR2(いずれもSTEMCELL Technologies社)が使用されています。

 

ヒトES/iPS細胞の生存率が大幅にアップ

文献内容

ヒトES/iPS細胞などに最適な、培養基質のLaminin-521(ヒト組換えラミニン)と、TeSR2(動物タンパク含まない培地)を使用した文献をご紹介します。

京都大学再生医科学研究所の宮崎隆道先生らの研究では、Laminin-521(BioLamina社)とTeSR2(STEMCELL Technologies社)で培養したヒトES細胞およびiPS細胞は、他社マトリックスでの培養に比べて凍結保存後の細胞生存率が大幅に向上しました。シングル化した細胞から安定に継代・保存が可能なので自動化への応用なども期待されます。

著者のコメント

Laminin-521を培養基質としてコーティングすることで、シングルセル状態にしたヒト多能性幹細胞の接着と生存を大幅に改善することができた。凍結解凍時のみならず継代培養時においても細胞生存性が高まるので、Laminin-521を使用することでヒト多能性幹細胞の培養効率を上げることができると言える。
TeSR2培地を用いることで、フィーダーフリー培養条件においてもヒト多能性幹細胞を安定に維持することができ、凍結解凍の実験操作や通常の継代培養を容易に行うことができた。

(京都大学再生医科学研究所 宮崎 隆道 先生)

 

なぜ、ES/iPS細胞の培養にLaminin-521なのか

ヒトES/iPS細胞の培養基質にLaminin-521を用いると、以下のようなメリットがあります。

  • 使用する培地や酵素に関わらず、増殖速度が安定
  • クローン化効率は約20%で、他のマトリックスでは達成できない高効率
  • ROCKインヒビター(接着不全に起因するアポトーシスを防止)は不要
  • 継代培養後も遺伝的に安定(核型、CNV)
  • 初期胚盤胞由来の1個の卵割球から、ES細胞を化学的組成が定義されたゼノフリーな環境でクローン化
  • 今後の臨床応用にも対応
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