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ラーニングコーナー

2021/09/02

カラムを使わない細胞分離のすゝめ

  • 細胞分離

sample_request.jpg初めての方のためにサンプルを無料で提供しております

細胞を用いた研究をおこなう場合、その目的に応じた細胞を分離・精製しなければなりません。現在は比重遠心分離法、フローサイトメトリー、磁気細胞分離法などが広く用いられています。

本ページではカラムを使った細胞分離をされている方、これから細胞分離を始めようとされている方、あるいは細胞分離についての基礎を知りたい方に向けて細胞分離商品を選択するポイント、STEMCELL Technologies社が推奨するカラムを使わない細胞分離商品を紹介します。

カラムを使わない(カラムフリーの)細胞分離法は細胞、特に接着性の細胞へのダメージを最小限に抑えられます。また、サンプルの種類や処理する細胞量にかかわらず作業時間が一定で、スケールアップしやすい利点もあります。

STEMCELL Technologies社の細胞分離試薬はVERI+Netでいつでもお得に購入できます
詳しくはこちら

最終更新日 2024年3月7日

カラムフリーの細胞分離試薬を薦める理由

ベリタスではSTEMCELL Technologies社のカラムフリーの細胞分離試薬をお薦めします。
カラムフリーの細胞分離は、
・細胞にやさしい
・操作が簡単
・操作時間が短い
・消耗品が少なくeco
など多くのメリットがあります。

カラムを使わない細胞分離(EasySep)の手順をビデオでご紹介します。

カラムフリーのメリット

  • 細胞にやさしい
    カラムを使用する場合、プロトコル内に洗浄操作が必要です。くわえてカラムが詰まるリスクもあります。
    カラムフリーならば細胞のロスと細胞への物理的ダメージを最小限に抑えます。
  • 短時間、簡便
クリックすると拡大します

EasySepを使用して細胞を分離にかかる時間(分)

EasySepではRapidSphereテクノロジーを採用したことで、
ヒトT細胞の分離ならPBMCから8分で分離完了です。

ご利用中の細胞分離製品と比べてみてください。

細胞分離のポイント

細胞を用いた実験をおこなう際に重要なことは、研究目的に適した細胞を使うことです。
実験に適した細胞を用いるか否かによって研究の効率が大きく変わってきます。
細胞分離試薬の評価に加え、得られた細胞を正しく評価してご自身の研究に適した細胞を得ることが重要です。
ここでは細胞分離試薬の評価(パフォーマンス評価)と細胞分離で得られた細胞の評価(生存率及び機能評価)について説明します。

パフォーマンス評価

細胞分離商品のパフォーマンス(性能)は、一般的に純度と回収率で評価します。

    • 純度
      ここでの純度とは最終的に分離した細胞画分における目的の細胞の割合であり、パーセンテージで表されます。
      一般的に純度は、フローサイトメトリーを使用して算出されます。
クリックすると拡大します

EasySepマウスCD4+ T細胞分離キットによる細胞分離前後のマウスCD4+ T細胞の純度

STEMCELL Technologies社ウェブサイトより、フローサイトメトリーのゲーティングに関する考慮事項を確認できます

>>Considerations for FACS Gating

カラムを用いない磁気免疫細胞分離試薬であるEasySepを用いることでヒト正常骨髄中の1%程度のごく少数のCD34陽性細胞を常に高い回収率かつ高い純度で回収でき、骨髄中の少数のCD34陽性細胞における発現解析が可能となりました。

東京薬科大学 生命科学部 腫瘍医科学研究室 原田 浩徳 教授
 EasySepを用いた骨髄異形成症候群の研究 CD34陽性細胞における遺伝子発現解析 研究者の声【2】

生存率及び機能評価

細胞分離後に下流の細胞培養やその他の用途のために生細胞を必要とする場合、分離した細胞の生存率と機能の両方が重要です。

    • 生存率

      分離した全細胞に対する生細胞のパーセンテージとして表されます。
      生存性の低い細胞は細胞膜を傷つけているため、細胞の生存率の測定は、細胞膜の完全性を評価することでできます。
      不健康な細胞に浸透する7-AADやトリパンブルーなどの生存率色素を使用して計測します。

      クリックすると拡大します

      EasySepを使用して分離された細胞は、開始サンプルと同等の生存率を示す

  • 機能評価
    分離した細胞の機能は、細胞分離プロセス全体を通して維持する必要があります。 これにより、下流のin vitroまたはin vivoアッセイが、目的の細胞タイプの生理学的機能を正確に表すことが保証されます。
    細胞の機能を評価する方法はたくさんあります。たとえば、機能的なT細胞を分離した場合は、刺激の存在下と非存在下でサイトカインの発現を評価して、T細胞が適切に応答することを確認します。
    クリックすると拡大します

    EasySepを使用して分離されたセントラルメモリーおよびエフェクターメモリーCD4 + T細胞は、刺激によりサイトカインを産生

従来の比重法では90分程度の時間を費やしていましたが、EasySep Directを用いる事で30-40分という短時間で、更に純度の高い好中球を得ることができました。
分離後の好中球のViabilityが99%を超えていた事は驚きで、ダウンストリームのアッセイでは細胞培養含めた各種機能試験に有用です。

N研究所 T様
 EasySep Directを用いた好中球抗体の検出および各種好中球機能試験の研究

「免疫磁気分離法」と「免疫比重遠心法」

ベリタスが推奨するSTEMCELL Technologies社のカラムフリーの細胞分離試薬には磁石を使う「免疫磁気分離法」と遠心機を使う「免疫比重遠心法」の2種類あります。
免疫磁気分離法:EasySep
免疫比重遠心法:RosetteSep
ここではそれぞれの商品を説明します。

抗体と磁気ビーズを使用して磁石で分離する「免疫磁気分離法」と、抗体と比重遠心を組み合わせる「免疫比重遠心法」についてご紹介します。

免疫磁気分離法 EasySep
   免疫比重遠心法 RosetteSep
標的細胞の表面に抗体を介して磁気ビーズを結合させ、磁石で集めます。
用いる抗体によって標的細胞だけを集めるポジティブ分離、不要な細胞を除去して目的細胞を集めるネガティブ分離のいずれもできます。

不要な細胞と赤血球を抗体を介して結合させることでロゼットを形成させます。その後比重遠心分離により赤血球とともに不要な細胞を除去します。
得られた目的細胞には抗体が結語していないネガティブ分離です。

EasySep-Scheme.png
RosetteSep-Scheme.png
EasySep原理.jpg RosetteSep原理.jpg
最短8分でヒトPBMCから磁気細胞分離「EasySep」 ヒト全血からワンステップで細胞分離「RosetteSep」

specialist_talk.jpg

EasySepとRosetteSepの選択

免疫磁気分離法であるEasySepは全血から直接、または、PBMC・有核細胞から特定の細胞を分離する際に、免疫比重遠心法であるRosetteSepは全血から直接、特定の細胞を分離する際に利用いただけます。
EasySepはヒトやマウスなど幅広い製品ラインナップに対応しておりますが、専用磁石が必要です。
一方、RosetteSepは磁気ビーズを使用しないため専用磁石が不要ですが、ラインナップはヒトの全血用に限られます(場合によって骨髄も対応)。
ご自身の実験目的に合った方法の製品を選択するためにお役立てください。

全血から直接、特定の細胞を分離

製品・ブランド名 対象動物種 必要装置・器具 特長
EasySep Direct link_icon_bule.png ヒト EasySep専用磁石

・赤血球99.9%除去

・高純度(最大99%)

・比重遠心、溶血、沈降が不要

・カラム不要

・ターゲット細胞を何も結合していない状態で回収

RosetteSep link_icon_bule.png ヒト 遠心機

・比重遠心の過程で細胞をワンステップ分離

・カラム、磁石不要

・ターゲット細胞を何も結合していない状態で回収

SepMate併用可能

PBMC・有核細胞から特定の細胞を分離

製品・ブランド名 対象動物種 必要装置・器具 特長
EasySep link_icon_bule.png ヒト link_icon_bule.png
マウス link_icon_bule.png
その他 link_icon_bule.png
EasySep専用磁石

・高純度(最大99%)

・カラム不要

・幅広い製品ラインナップ

・ポジティブ分離・ネガティブ分離両方に対応

RoboSepによる自動化に対応

・分離後の細胞で様々な解析が可能

EasySep Release link_icon_bule.png ヒト、
マウス
EasySep専用磁石

・高純度(最大99%)

・カラム不要

・ターゲット細胞にビーズが結合していない

・連続ポジティブ分離で、希少な細胞を回収することが可能

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細胞分離のポイントをまとめた電子書籍(e-book) 「日本語版」が登場!

カラムフリーの細胞分離に関する重要なポイントがまとまった資料です。ぜひご参照ください。

 ・最適な細胞分離方法の選択
 ・全血からの細胞分離
 ・組織サンプルからの細胞分離
 ・細胞分離のパフォーマンス評価
 ・よくある質問

細胞分離e-book「Cell Separation E-Book」を見る
(e-bookのダウンロードにはSTEMCELL Technologies社ウェブサイトでの登録が必要です。)

スペシャリストによる解説動画

カラムを使わない細胞分離試薬を検討されている方、カラムフリーでの分離を検討されている方のために、STEMCELL Technologies社の絵葉 ジャーディさんより日本語で細胞分離の基礎と細胞分離製品についてご説明いただきました。


絵葉 ジャーディ, MSc
フィールド アプリケーション スペシャリスト
STEMCELL Technologies Inc.
英語・日本語対応
絵葉さんは日本在住の細胞分離スペシャリスト
   

0:00〜 STEMCELL Technologies社の紹介
2:49〜 免疫磁気分離法について
12:18〜 EasySep ヒト細胞分離
22:35〜 EasySep その他
31:03〜 RoboSepフルオート磁気細胞分離装置
35:07〜 RosetteSep 免疫密度細胞分離
37:24〜 SepMateとLymphoprep
42:00〜 参考資料

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よくある質問

EasySepとRosetteSepに関してよくいただく質問にお答えします。
質問をクリックしていただくと回答が表示されます。
一般編
製品リストにない細胞種を分離できますか?EasySepで可能です。
1) PE、FITC、Biotinで標識された抗体をご利用の場合は、標識化物に結合するように設計されたEasySepをご使用できます。
2) マウスIgG1抗体の場合では、Do it Yourself Kitがご使用できます。
3) カスタムオーダーも可能です。
磁気ビーズ
細胞分離用のEasySep磁気ビーズの材質は? EasySepの磁気ビーズは、内側が酸化鉄、外側がデキストランとなっております。
EasySep用磁石の磁力の強さはどれくらいですか? EasySep Magnet(ST-18000)も"The Big Easy" EasySep Magnet(ST-18001)も共に磁力の強さは1テスラです。
複数の専用マグネットがありますが、すべてのEasySep試薬で使うことができますか? EasySep Magnet(ST-18000)、"The Big Easy" EasySep Magnet(ST-18001)は全てのEasySep試薬でご利用いただけます。
他のマグネットはEasySep試薬により適合・不適合がありますので詳しくは各EasySep試薬の添付文書でご確認ください。
試薬編
細胞分離をおこなう場合、推奨されるバッファーに含まれるFBSは必須ですか?サンプルの希釈に用いるバッファー中のFBSには細胞の回収率及びバイアビティー向上の役割があります。 2% FBSに変えて0.5% BSAを利用することもできます。また、FBS/BSAを添加せずに用いることもできますが、非特異吸着等により結果に影響がでることが考えられますので、事前評価をお勧めします。
同一のターゲットに対するEasySepヒト細胞用ポジティブ分離用キットでは、MNC用と全血/バフィーコート用で抗体カクテルの中身は同一ですか?サンプルに合せて各試薬の抗体カクテルは調製されていますので、サンプルにあった試薬をご利用ください。
RosetteSepを使用する際に推奨される抗凝固剤は?ヘパリン、EDTA、ACDいずれもご利用できます。
手法編
血液や脾臓から有核細胞を分離して保存しておき、必要な際にEasySepで細胞分離ができますか? 原理的には可能ですが、細胞の生存率(viability)が落ちるため、あらかじめ分離・凍結保存しておいた細胞からの細胞分離はお薦めしておりません。 凍結保存した単核球から分離する場合、ダブレットを防ぐ目的でDNaseなどを用いて細胞をシングルセル化しておくことが重要です。
下記動画マニュアルをご参照ください。
動画マニュアル:凍結単核球(MNC)からのシングルセル化
EasySepで複数検体を同時に処理するにはどうしたらいいですか?EasySep Magnetは1度に1検体だけの処理が可能ですが、複数検体を同時に処理する場合は下記の製品がご利用いただけます。
・EasyEights EasySep Magnet:最大8サンプルを同時処理できるEasySep専用磁石 (ただし、使用できる試薬に制限があります)
・EasySep MultiStand:EasySep EasyStandを最大4-6個取り付け可能なスタンド
・RoboSep-S:細胞分離自動装置。複数検体の処理を自動化
EasySepを使用する際、サンプル中の細胞数が少ない場合はどうすればよいですか?EasySep Magnetを使用し、マニュアルに記載されている最小容量まで推奨バッファーをサンプルに加えてから操作してください。
解析編
EasySepの磁気粒子は、フローサイトメトリーと併用可能ですか? はい。EasySep粒子の直径は約150 nm(製品によって違いがございます)と非常に小さく、ビーズサイズが均一です。分離した細胞はフローサイトメトリーにも使用可能です。 EasySepでポジティブ分離した細胞も、フローサイトメトリー解析、培養、DNA/RNA抽出にご利用できます。
EasySepの磁気粒子が結合した細胞はフローサイトメトリーの解析データに影響がありますか? ビーズが細胞に結合したことにより、フローサイトメトリーにおいてSSC(サイドスキャッター、側方散乱光)がシフトすることが稀にあります。
ゲーティングの調整が必要なケースもございますので、必要に応じてセッティングを調整してください。

サンプルで試してみる

EasySep、RosetteSepを初めて使いたい方のためにVERI+CLUB会員限定でサンプルを無料で提供しております。
まだ会員登録をされていない方はこの機会に登録をお願いします。

VERI+CLUBとは?
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※ フリーサンプルは、1研究室あたり1点とさせていただきます。
※ 後日、サンプル評価の結果やご意見・ご要望を聞かせください。

細胞分離の事前相談:弊社の技術スタッフまたはSTEMCELL Technologies社の絵葉さんによる、細胞分離の事前相談を承ります。
事前相談をご希望の方は「EasySepのサンプル申し込みフォーム」に事前相談希望とご記入の上、お申し込みください。

STEMCELL Technologies社の絵葉 ジャーディさんよるEasySep磁気細胞分離のデモの様子



EasySep-sample-banner.jpg   RosetteSep-sample-banner.jpg
   

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