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2025/09/10

DynaGreen - コストパフォーマンスが良い "次世代" 磁気ビーズ -

  • タンパク・遺伝子発現解析

2025/12/16 更新

30年以上の歴史を持つDynabeads™から、DynaGreen™という新たなブランドが誕生しました。
現在は、免疫沈降 (IP)を目的とする3種の磁気ビーズがございます。

 ・DynaGreen Protein A          プロテインAのみが結合
 ・DynaGreen Protein A/G         プロテインAとGが結合(結合する抗体の動物種, サブクラスが多く汎用性が高い)
 ・DynaGreen CaptureSelect Anti-IgG-Fc Anti-IgG-Fcリガンドが結合(非特異的結合が極めて少ない)


  Protein A/GおよびAnti-IgG-Fcは、Dynabeadsシリーズには無い新たな選択肢です。
  本稿では、DynaGreenの特徴をご紹介いたします。

粒径250nmによる高いコストパフォーマンス

DynaGreenは、粒径約250nmのサブミクロンサイズのビーズです(図1)。質量当たりの表面積が広いため、効率的な分離が可能であり、
一回の反応に使用するビーズ量が既存品の半量でよく、高いコストパフォーマンスを示します。
さらに、小さな粒径は素早い動態を示すため、インキュベーション時間が短縮され、80分未満の免疫沈降プロトコルが可能です(図2)。

画像3.png

画像1.png

図1. DynaGreen磁気ビーズ
(左)製品外観
(右)ビーズの走査型透過電子顕微鏡 (STEM)画像

1724182110192.jpg
1724182110271.jpg

図2. DynaGreen磁気ビーズを用いた、直接法または間接法による免疫沈降(IP)

(左)直接法(Direct IP)の手順は、
1) 選択した抗体をDynaGreen磁気ビーズに30分間添加、
2) 抗体-ビーズ混合液にサンプルを30分間添加、
3) ビーズを洗浄して未結合・非特異的結合を除去、
4) 標的タンパク質を溶出バッファーでビーズから溶出。


(右)間接法(Indirect IP)の手順は、
1) 選択した抗体をサンプルに30分間添加、
2) サンプル-抗体混合液にDynaGreen磁気ビーズを30分間添加、
3) ビーズを洗浄して未結合・非特異的結合を除去、
4) 標的タンパク質を溶出バッファーでビーズから溶出。

動画:直接法と間接法の違いを解説

短時間のプロトコルは、異なるタンパク質間の弱く一時的な相互作用の補足(Co-IP)や、優れたシグナル対ノイズ比を得るために重要です。
標的タンパク質が高収量・高純度で得られるため、ウェスタンブロッティングや質量分析に適しています。

各製品の特徴

プロテインAやプロテインGを結合した磁気ビーズに加え、Fc結合を標的にするAnti-IgG-Fc磁気ビーズが新たに発売されました。

製品 DynaGreen Protein A DynaGreen Protein A/G DynaGreen CaptureSelect Anti-IgG-Fc
用途 ・特定の種におけるサブクラスへの結合に関してより選択的です ・さまざまな種やサブクラスに対してより汎用的です
・あらゆる用途に適しており、質量分析への適合性が高いです
・複数動物種の二次抗体の使用が可能です
・高純度のサンプルを要する場合、特に質量分析などの用途向けです
結合能 13–14 µg/mL
直径 250 nm
濃度 20 mg/mL
実験ごとのビーズ使用量 25 µL
収量
非特異的結合 極低
使用目的 IP(直接法または間接法)、質量分析
自動化 自動化対応 ー KingFisher Purification System向けプロトコルを使用可能(1回で最大96サンプルをわずか40分)

結合能が高いほど少なくなります。他社同等品の場合、通常40–100 µLです。

異なる動物種の抗体サブクラスに対する親和性の違い

Ig_affinity.jpg

注)B=binding は結合を示しますが、結合力は確認されておりません。

DynaGreenのデータ紹介

IPにおいて、DynaGreenは他社製品と同等以上の収量と純度を示します

IP_compare.jpg

図3. DynaGreenまたは他社製磁気ビーズを用いて、Jurkat細胞ライセートからIP(直接法または間接法)でCD81またはCD3を分離し、ウェスタンブロットで解析した結果
(A) CD3のIPを、DynaGreen Protein A (a, b) および他社製磁気ビーズ
(B) CD81のIPを、DynaGreen Protein A/G (b, c), DynaGreen CaptureSelect Anti-IgG-Fc (Multi-species) (a,d) および他社製磁気ビーズ

DynaGreen Protein A
直接法と間接法どちらにおいても、すべての他社製品の性能を上回りました。

DynaGreen Protein A/G
間接法において、すべての他社製品の性能を上回りました。

DynaGreen CaptureSelect Anti-IgG-Fc (Multi-species)
複数の他社製品と同等量の標的タンパク質を得ながら、最も非特異的結合が少ないIP結果を示しました。

様々な動物種・アイソタイプ特異的抗体を用いることが可能です

IP_isotype.jpg

図4. IPとウェスタンブロットによるアイソタイプ特異的抗体の解析
(A, B) マウスIgG1 抗CD81抗体を、DynaGreen Protein A/GおよびDynaGreen CaptureSelect Anti-IgG-Fc (Multi-species)に結合し、
(C) ウサギIgG 抗CD3抗体を、DynaGreen Protein Aに結合し、IPを行いました。インキュベーション後、CD81およびCD3を Invitrogen™ NuPAGE™ LDSサンプルバッファーまたは低pH条件で溶出しました。陽性コントロールとしてDynabeads磁気ビーズを使用しました。

再現性のある結果を示し、変性および低pH条件の溶出バッファーのどちらにも適合しています。

IPしたサンプルは、質量分析に使用できます

IP_mass.jpg

表1. DynaGreenを用いたIPの質量分析結果
各DynaGreen製品につき3回の分析的反復を行い、標的
タンパク質を分離しました。
Dynabeads Protein G および Dynabeads Protein A を
コントロールとして使用しました。

図4の実験において溶出したCD81およびCD3は、問題なく質量分析に使用できました(表1)。
質量分析の結果を、同定された標的特異的ペプチドの数およびシグナル強度(total ion current; TIC)として示しました。標的ペプチド数は、Dynabeadsで得られたものと同等かそれ以上でした。さらに、ポリマーや界面活性剤による干渉は無く、一次抗体なしで免疫沈降を行った陰性コントロールサンプルに、標的タンパク質は検出されませんでした。
DynaGreen Protein A/Gビーズでは、陰性コントロールサンプル3つのうち1つで標的ペプチドが検出されましたが、そのシグナル強度は陽性コントロールサンプルの約0.01倍です。これは、網羅的ではなくターゲットを狙った高感度な検出によることで得られた非特異的結合によるシグナルと考えられます。

SDGsの時代に

研究を行う上でも、環境に対する影響を考えることは必要になってきています。
社会に応えるためにも、DynaGreenは登場しました。

DynaGreenにはACT®ラベルが付いています。これはMy Green Lab®によって第三者認証された環境影響スコアであり、研究者が製品を選択する際の判断材料となります。ACTラベルの原則について、詳しくは act.mygreenlab.org をご覧ください。
さらに、マイクロプラスチックを含まず自然界で一般的に見られる無機材料のみで構成されており、グリーンケミストリーの12原則 に基づいて製造・輸送されています。

プロテオミクス研究を今まで以上に環境に考慮した方法で促進します。

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