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ラーニングコーナー

2020/08/07

「WIESLAB」 補体活性測定ELISAの交差性と動物モデルへの利用

  • 創薬支援

生物医学研究においては特に近年の補体治療薬の進歩を背景に、さまざまな種の補体系を分析することへの関心が高まっています。
動物モデルは、全身での相互作用と生理学的機能を研究できることから、治療介入戦略の有効性を評価するために使用されます。
補体の活性化と活性を評価するための種特異的なアッセイの数は限られているため、実験動物での補体活性化の評価に既存のヒト補体ELISAアッセイ(Svar Life Science(旧Euro Diagnostica)社)を使用する可能性を探りました。 今回は、既存のWIESLABの補体アッセイキットを用いて異種の血清の評価にどのように使用できるか、さらに検出用複合抗体を調整することでどのように分析できるかに関してご紹介いたします。

出典:Persson N et al. (2019) Assessment of complement activation in laboratory animals. the 17th European Meeting on Complement in Human Disease (EMCHD)

結果1 実験動物における補体活性

SVR③結果1-1.png

動物血清中の補体TCC解析

実験動物8種の血清サンプルを、ヒトComplement TCCアッセイで分析しました。
ネガティブコントロールに正常ヒト血清、ポジティブコントロールに活性化正常ヒト血清を使用しました。
アカゲザル(Rhesus monkey)、カニクイザル(Cynomolgus monkey)、ウサギの血清サンプルを希釈液で1/200に、それ以外はサンプル希釈液で1/10に希釈しました。
データは、吸光度450-620 nmで測定されたOD値の平均±SDを示しています。

SVR③結果1-2.png

動物血清中の補体C4d解析

実験動物8種の血清サンプルを、ヒトComplement C4dアッセイで分析しました。
ネガティブコントロールに正常ヒト血清、ポジティブコントロールに活性化正常ヒト血清を使用しました。すべての種の血清をサンプルを希釈液で1/100に希釈しました。
データは、吸光度450-620 nmで測定されたOD値の平均±SDを示しています。

SVR③結果1-3.png

動物血清中の補体経路活性化

実験動物8種の血清における3つの補体経路(CP:古典経路、MP:MBL経路、およびAP:副経路)の機能的な活性を、Wieslab® Complement Systemをもちいたアッセイで評価しました。ネガティブコントロールに正常ヒト血清、ポジティブコントロールとして補体を活性化した正常ヒト血清を使用しました。
アカゲザル(Rhesus monkey)とカニクイザル(Cynomolgus monkey)の血清は、CPおよびMPでは1/101、APでは1/18に希釈し、それ以外の血清はCPとMPでは1/5、APでは1/3に希釈しました。
データは、吸光度405 nmで測定されたOD値の平均±SDを示しています。

結果2 補体活性化阻害による経路特異性の実証

SVR③結果2-1.jpg
SVR③結果2-2.jpg

補体活性化を選択的に阻害することで、実験動物を含む7種の血清における補体経路(古典経路、MP:MBL経路、およびAP:副経路)の機能的活性の特異性を評価しました。
各阻害剤は、血清の希釈前に経路特異的希釈液に添加しました。

CP特異性、すなわちC1q活性化への依存性は、10 μg/ mLの抗ヒトC1q抗体の添加によって調べました。
また、5 mM/10 mM MgEGTAの添加によってCPとMPの活性化を阻害し、30 mM EDTAの添加によって全経路の活性化を阻害しました。
MPの活性化は、30 mM D-Mannoseの添加によって阻害しました。
活性は二回の繰り返し測定で決定され、元のバッファーで試験された種特異的血清との比較から算出されました。

ラット血清の場合、阻害剤を含む経路特異的バッファーで希釈し、10 μg/ mLの抗ラットC1q抗体をCPの阻害のために添加し、TMBを基質とする検出抗体としてHRP結合抗ラットTCCモノクローナル抗体を使用しました。

方法

実験動物8種(アカゲザル(Macaca mulatta)、カニクイザル(Macaca fascicularis)、マウス(CD-1)、ラット(Sprague Dawley)、イヌ(Beagle)、ヤギ、ミニブタ(Gottingen)、ウサギ(New Zealand White)のプールまたは個体別の血清サンプルを、補体活性化経路(古典経路(CP)、代替経路(AP)、MBL経路(MP))測定用のWieslab® Complement System、およびComplement C4d、Complement TCCの各アッセイで分析しました。
すべてのアッセイは、活性化血清(ザイモサンと熱凝集IgG)および非活性化血清の両方をもちいて実施しました。
補体経路の特異性を評価するため、一般的な補体阻害剤である5mM/10mM MgEGTA、10μg/mL抗ヒトC1qモノクローナル抗体(Svar Life Science社)、30 mM D-mannose、および30 mM EDTAを、以前に決定された血清の希釈係数を使用して各経路特異的なバッファーに添加しました。
ラットにおける補体活性化の分析では、検出抗体を抗ラットTCCモノクローナル抗体(Nordic BioSite社)で置き換え、抗ラットC1qモノクローナル抗体(ThermoFisher社)を古典経路の阻害に使用しました。

結論

ヒトComplement C4d(Svar Life Science社)アッセイは、非ヒト霊長類血清中のC4dの評価に使用できます。
非ヒト霊長類およびウサギ血清中の可溶性C5b-9は、ヒトComplement TCC(Svar Life Science社)アッセイで分析できます。

Wieslab® Complement System(Svar Life Science社)アッセイは、非ヒト霊長類、ミニブタ、および検出のための調整後のラット血清における、すべての補体経路の機能評価に使用できます。
加えて、ヤギ血清のAPとMP、ウサギ血清のMPを介する機能的補体活性を検出できます。

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