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注目の製品情報

2022/09/13

CD138形質細胞の濃縮により多発性骨髄腫の検査感度向上へ

  • 細胞分離

諸外国では多発性骨髄腫(Multiple Myeloma)の診断に蛍光 in situ ハイブリダイゼーション(FISH)またはG-bandによる染色体検査をおこなう際に、感度向上のために形質細胞(plasma cell)での検査を推奨しています。

諸外国の現状(2022年4月23日 Webセミナー・ダイジェスト版)

CD138陽性形質細胞の濃縮による多発性骨髄腫の検査感度を向上させるには、STEMCELL Technologies社の「EasySep™ Human Whole Blood and Bone Marrow CD138 Positive Selection Kit II」をおすすめします。この製品で形質細胞を濃縮することで分析サンプル中の悪性骨髄細胞の割合が高くなり、混在細胞集団のサンプルの解析に比べてゲノム異常の検出感度が向上します。


動画のご紹介

骨髄サンプルを処理し、CD138陽性形質細胞を分離して、多発性骨髄腫のFISH検査の感度を高める方法について動画で紹介
Virtual training course, Enhancing Sensitivity for Detection of Genetic Aberrations in Multiple Myeloma
(動画の視聴にはSTEMCELL Technologies社ウェブサイトにて登録が必要です)

背景

多発性骨髄腫の骨髄サンプルには非悪性細胞と悪性細胞が混在します。正常な核型を示す健常なB細胞と非悪性形質細胞が大部分を占める中から、少量の悪性形質細胞を検出するのは難しい場合があります。また、このごくわずかな異常クローンを同定し解析するには大量の細胞から解析する必要があると考えられます。

CD138抗原はすべての形質細胞(非悪性細胞と悪性細胞の両方)に存在する一方、成熟B細胞には存在しません。このため、CD138抗原は悪性の多発性骨髄腫細胞を含むすべての形質細胞の濃縮に適した選択マーカーとなり得ます。CD138による分離で形質細胞を濃縮することにより、分析サンプル中の悪性骨髄細胞の割合が高くなり、混在細胞集団のサンプルの解析に比べ、ゲノム異常の検出感度が向上します。したがって、CD138の選択による形質細胞の濃縮は多発性骨髄腫におけるFISH、マイクロアレイベースのゲノムプロファイリング、ゲノムシーケンス検査の感度と信頼性を高めるうえで、有用なステップであると考えられます。

プロトコール紹介

STEMCELL Technologies社では「精製 CD138 形質細胞による多発性骨髄腫検査感度の向上」に関する資料を作成しました。
多発性骨髄腫検査の感度を高めるために、骨髄、全血または末梢血単核細胞から形質細胞を分離するプロトコールを紹介しています。

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細胞分離の自動化装置「RoboSep™-S」と「RoboSep™ Human Whole Blood and Bone Marrow CD138 Positive Selection Kit II」。
1ランあたりのハンズオンタイムは約5分で、生体サンプルを扱う際に病原体にさらされるリスクを大幅に減らせます。

米国ガイドラインの解説

National Comprehensive Cancer Network(NCCN Guidelines Version 2.2020 Multiple Myeloma)は、FISH 法による多発性骨髄腫検査では骨髄穿刺で採取後に濃縮した形質細胞で解析することを推奨しています。

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海外研究者の声

細胞遺伝学研究室での細胞分離とFISH検査

米国・チューレーン大学(Tulane University)細胞遺伝学研究室のテレサ・ブラウン博士(Dr. Theresa Brown)のラボでは、細胞分離とFISH検査をどのようにおこなわれているか紹介しています。

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テレサ・ブラウン博士(STEMCELL Technologies社 ウェブサイトから転載)

関連動画

Increasing the Sensitivity of Cytogenetic Analysis of Hematologic Malignancies Through Cell Enrichment

B細胞リンパ腫や多発性骨髄腫などの血液がんでは、悪性細胞と非悪性細胞が骨髄や末梢血にさまざまな頻度で混在します。FISH法による詳細な解析の前にリンパ細胞を濃縮すると、悪性細胞の存在が増加するため検出感度を高めることができます。

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