製品の特長

本製品はmultiplex RT-PCR法によって、白血病に関連する染色体転座 t(8;21)(q22;q22)(RUNX1-RUNX1T1)および切断点を検出する試薬です。

＜HemaVision RT-non Nested PCRシリーズの特長＞

• 高い特異性：標的遺伝子に特異的なプライマーを用いたPCR
• 低い検出限界：RNA 1 µg中に存在する10^-8 µgの 転座RNAを検出可能
• 逆位の検出が可能：FISH法では困難な変異も検出（inv16）
• 結果の解釈が容易：PCR産物の電気泳動結果と対応表より転座箇所を特定
• 正確な実験：内部標準を同時に解析、実験の妥当性を検証可能
• 迅速：抽出RNAから短時間で結果取得（4-5時間）
• 簡単な手法：標準的なサーマルサイクラーおよびプロトコルを使用

※特異性のより高い製品をご希望の場合は、HemaVision RT-Nested PCRシリーズをご利用ください。

＜検出可能な切断点について＞

下記の切断点（融合遺伝子）を検出できます。

＜実験ステップについて＞

① total RNA抽出

　全血、細胞株、単核球、骨髄細胞などからRNAを抽出します。

② cDNA合成

　製品に含まれているプライマーセットおよびcDNA合成試薬を使って、cDNAを合成します。

③ PCR

　複数のプライマーセットが混合されたプライマーミックスを用いてPCRを行います。

④ 電気泳動

　PCR産物の電気泳動を行います。転座が起きていると、ハウスキーピング遺伝子由来のDNAバンドの他にDNAバンドが観察されます。

＜電気泳動のイメージ図＞

980 bp付近のバンドは内部標準由来、それ以外は転座箇所由来となります。

・サンプル1では、980 bp付近にのみバンドが出ています。このため、サンプル1は転座が無いと判断されます。

・サンプル2では、980 bp付近のバンドとは別に、400 bp付近にバンドが出ています。このため、サンプル2は転座が有ると判断されます。

⑤ 転座（切断点）判別

　転座箇所由来のDNAバンドの位置（bp）をプロトコルの表と照らし合わせ、転座の同定（切断点含む）を行います。

上記の例の場合、対応表よりサンプル2の転座および切断点は (q22;q22)(RUNX1ex6-RUNX1T1ex2) となります。

＜本製品の構成について＞

• Primer Mix cDNA：cDNA合成用プライマーセットのミックス（1本）
• Primer Mix PCR：PCR用プライマーセットのミックス（1本）

※PCR用プライマーセットには、転座箇所特異的なプライマーセットおよび、ハウスキーピング遺伝子（内部標準）に特異的なコントロールプライマーセットが含まれています。

別途、以下の試薬が必須となります。

• Reagents Module with DNA Polymerase (DND-HV06-RMP)：cDNA合成に必要な逆転写酵素、PCR酵素、バッファーやdNTPなど

　　　　　※本製品1キットあたり2キット使用します。

• RNase Free Water：ネガティブコントロール、試薬調製用

以下の試薬は任意です。

• HemaVision-7 Positive Controls (DND-HV05-7PC)：ポジティブコントロールRNA

　　　　　※本製品1キットあたり4キット使用します。

• cDNA合成前のRNA：ネガティブコントロール

＜HemaVision RT-non Nested PCRシリーズと検出する転座について＞

詳細は各製品ページをご確認ください。