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研究者の声

2026/08/01

ストレスフリーな好中球分離によりNETosis評価を最適化 研究者の声【51】

  • 細胞分離

近年注目を集めている細胞外トラップの研究において、ストレスフリーな回収が可能なEasySepが採用されています。本稿では、その中でも好中球の分離とNETosis評価についてご紹介いたします。
(今回の評価方法はwebページ下のリンクより鎌倉テクノサイエンス様に試験をご相談いただけます)

研究者紹介

横川 寛 様

株式会社鎌倉テクノサイエンス(東レグループ)
生物試験業務部

※ 所属や役職等は掲載当時のものです

研究内容

好中球は自然免疫において重要な役割を担う細胞であり、刺激に応答して NETosis(Neutrophil Extracellular Trap formation) と呼ばれる反応を示します。
NETosisでは、好中球がDNAや顆粒由来タンパク質を細胞外に放出し、病原体を捕捉するネット状構造(Neutrophil Extracellular Traps: NETs)を形成します。この現象は感染防御のみならず、炎症性疾患や血栓形成などの病態との関連も報告されています。
NETosisの評価には、機能を保持したヒト好中球を高純度に回収することが不可欠です。本研究では、HetaSep™ と EasySep™ Human Neutrophil Isolation Kitを用いた磁気ビーズ法による好中球分離を活用し、ヒト全血由来好中球を用いたNETosis評価系を構築することを目的としました。

方法・結果

ヒト全血からHetaSep™ を用いて白血球分画を調製後、EasySep™ Human Neutrophil Isolation Kitによる磁気ビーズ分離を行って好中球を単離しました。 分離後の細胞はフローサイトメトリーにより解析し、好中球画分の純度および安定性を確認しました。

プロトコール:

  1. 全血に対してHetaSep™を1:5の比率で添加し混合後、室温(25℃)で110 ×gで6分間遠心し、赤血球-血漿界面が全体の40%になるまで静置した。
  2. 白血球を含む血漿を新しいチューブに移し※、EasySep bufferを4:1の比率で添加して室温で500 ×gで10分間遠心し、白血球ペレットをEasySep bufferで洗浄後、120 ×gで10分間遠心した。(※赤血球層の界面ギリギリを回収することが回収率に重要。多少赤血球を回収しても問題ない。)
  3. 得られたペレットを再懸濁し、白血球数をカウントして5×10⁷ cells/mLに調製し、その懸濁液2 mLに分離カクテルを50 µL/mLで添加して、氷上で5分間インキュベートした。
  4. RapidSpheres™を30秒間ボルテックス後、40 µL/mLで添加し、氷上で3分間インキュベートした。インキュベート後、EasySep bufferで2.5 mLとなるようメスアップし、マグネットに3分間設置した後、好中球画分を新しいチューブに移した。
  5. さらに再度マグネットに3分間設置して好中球画分を回収し、カウント後、フローサイトメトリーおよびNETosisアッセイに使用した。 検討の結果、EasySep™ Human Neutrophil Isolation Kitを用いることで高純度な好中球を再現性良く回収できることが確認されました(図1)。 また、分離した好中球に刺激を与え、NETosisを誘導したところ、放出因子を指標とした機能的なNETosis応答が検出され、回収細胞がアッセイに十分適した状態であることが示されました(図2)。
researcher_48_thumnail.png
図1.好中球分離結果
EasySep™ Human Neutrophil Isolation Kitを用いて、HetaSep™処理済みヒト全血サンプルから好中球を回収した。分離前(左図)と分離後(右図)の好中球純度はそれぞれ57.2%と99.3%であった。
researcher_48_fig2.png
図2.単離した好中球を用いたNETosis assay
NETsに付随する顆粒タンパク質の酵素活性を指標とした定量法にてNETosis活性を測定した。PMA(Phorbol 12-myristate 13-acetate)刺激によってNETosisが誘導されていることを検出した。

結論

本研究を通じて、HetaSep™ およびEasySep™ Human Neutrophil Isolation Kitにより、ヒト全血から高純度な好中球を回収し、NETosisを機能的に評価できることが示されました。
EasySep™ Human Neutrophil Isolation Kitは、迅速性と再現性が求められる好中球研究において有用であり、NETosisを指標とした基礎研究や化合物評価への幅広い応用が期待されます。

EasySep Human Neutrophil Isolation Kitを使用しての感想

HetaSep とEasySep Human Neutrophil Isolation Kitを使用することで、ヒト全血から好中球を安定して分離することができました。操作工程はシンプルで分離後の好中球は純度が高く、表現型および機能解析に適した状態であることを確認できました。ヒト好中球を用いた免疫・炎症研究において、EasySep™ Human Neutrophil Isolation KitをはじめとするEasySep製品は、安定した研究基盤の構築に寄与する有効なツールであると考えています。

今後の展望

今回構築した試験系は、NETosisを指標とした研究に幅広く応用できると考えています。EasySep Human Neutrophil Isolation Kitを活用することで、ヒト好中球を用いた機能解析を安定して実施できるため、今後は炎症・免疫領域における基礎研究や化合物評価への展開を期待しています。さらに、今後は全血サンプルから直接処理できるEasySep Direct Human Neutrophil Isolation Kit(ST-19666)の使用も検討しています。

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ご利用いただいた製品

商品コード 商品名 梱包単位
ST-17957 EasySep Human Neutrophil Isolation Kit 1 kit
ST-07906 HetaSep 100 mL
ST-20144 EasySep buffer 1000 mL
ST-18000 EasySep magnet 1 個
ST-19666 EasySep Direct Human Neutrophil Isolation Kit 1 kit

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