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研究者の声

2026/06/23

【特別インタビュー記事】―免疫細胞分離と機能性分子探索への応用―(東洋大学/順天堂大学 岩澤 卓弥先生)

  • 細胞分離

目的の細胞を得るためにたびたび研究現場で用いられる細胞分離技術。その中でも、シンプルかつ高効率な手法として注目されているのが磁性粒子を使ったカラムフリーの細胞分離試薬の「EasySep」です。
今回は、実際にEasySepを導入された東洋大学 ライフイノベーション研究所/ 順天堂大学 静岡災害医学センター 岩澤 卓弥先生に、導入の背景から使用感、導入後の変化などを詳しく伺いました。

2026年7月29日(水)17:30より本記事についてより詳細の内容をお話しいただくオンラインセミナーを予定しております。
岩澤先生のご研究内容、EasySep導入のメリットについてより詳しく知りたい方は下記よりお申込みください。

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研究テーマと背景

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———現在、どのような研究テーマに取り組まれていますか。
免疫細胞に対して作用する成分(分子)の探索とそのメカニズムの研究をしています。

———なぜそのテーマに取り組まれているのでしょうか。
免疫細胞は、感染防御だけでなく、がん、生活習慣病、炎症性疾患、老化など、さまざまな疾患や生体機能に深く関わっています。一方で、免疫細胞の働きは非常に複雑で、同じ細胞であっても周囲の環境や刺激によって大きく性質が変化します。
近年、植物由来の機能性成分や腸内細菌が作り出す代謝産物が、免疫細胞の働きを調節する可能性が注目されています。しかし、どの成分が、どの免疫細胞に、どのようなメカニズムで作用しているのかについては、まだ十分に明らかになっていません。
そこで私は、免疫細胞に作用する成分や分子を探索し、その作用機序を明らかにすることで、疾患の予防や治療、健康維持につながる新しい知見を得たいと考え、このテーマに取り組んでいます。

———健康維持につながるテーマなんですね。その中で研究で明らかにしたいことは何ですか。
研究で明らかにしたいことは、植物由来機能性成分や腸内細菌代謝産物などが、免疫細胞の機能をどのように変化させるのか、そしてその背景にある分子メカニズムです。
例えば、T細胞、NK細胞、樹状細胞、マクロファージ、好中球、MDSCなどの免疫細胞に対して、ある成分が活性化を促すのか、炎症を抑えるのか、抗腫瘍免疫を高めるのか、あるいは免疫抑制を解除するのかといった点を解析しています。
最終的には、免疫細胞の働きを適切に制御できる成分や分子を見つけ、その仕組みを明らかにすることで、がん免疫、炎症制御、腸内細菌代謝産物を介した免疫調節などの理解を深め、新しい治療法や予防法の開発につなげたいと考えています。

———そういったことを明らかにしていくことが新たな治療法の開発につながるんですね。研究の中で細胞分離はどのような役割を持っていますか。
評価するための免疫細胞を準備する中心的な役割を持っています。

———研究対象となる特定の免疫細胞を分離するということですね。分離した細胞を、その後どのような解析や培養に使っていますか。
分離した免疫細胞ごとに分化誘導または適切な培地で培養を行い、植物由来機能性成分や腸内細菌代謝産物などを添加させることで起こる免疫細胞への作用をFACSやqPCR、RNA-Seqなどで解析をしています。共培養などにも使用することがあります。

導入前:細胞分離で感じていた課題

———今回EasySepを使う以前は、どのような方法で細胞分離をしていましたか。
カラム式の磁気分離、セルソーターを使用していました。

———どちらもメジャーな手法ですよね。以前の方法では、どんな点に課題を感じていましたか。
細胞によっては分離に時間がかかることと、分離操作による細胞への負荷でした。免疫細胞は非常に繊細で、採血後の時間経過だけでなく、遠心、カラム通過、圧力、せん断応力などの物理的な刺激によっても状態や機能が変化することがあります。
例えば、好中球のように短時間で形態や機能が変化しやすい細胞では、カラム式の磁気分離に時間がかかることで、分離後の細胞の状態に影響する懸念がありました。また、セルソーターは高純度な細胞を得られる一方で、細いノズルを通す際の圧力やせん断応力、ソーティング時間の長さが、繊細な免疫細胞には負荷になる場合があります。
そのため、できるだけ短時間で、物理的な刺激を少なく、安定して免疫細胞を分離できる方法が必要だと感じていました。

EasySepを知ったきっかけ・選んだ理由

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———今回EasySepを知ったきっかけ、試そうと思った理由を教えてください。
好中球に対するDAMPsの作用をマイクロアレイで調べる研究で、好中球は採血後3時間もせずに形態的・機能的に変化してしまいます。そのため、採血後速やかに分離できる手法を探しているときに試しました。

———なるべく迅速に細胞分離できる手法を探していたんですね。実際に使いはじめたときの第一印象はいかがでしたか。
各反応時間がとても短く、使用する試薬も少なく、操作も簡単なのでこれで分離ができているのかと疑問に思いました。なのでギムザ染色をして綺麗に分離ができていることがわかった時は驚きました。

———性能を実感いただき嬉しいです。他の方法や他社製品と比べて、どの点に魅力を感じましたか。
やはりなんといっても時間の短さと操作の簡便さだと思います。マイクロピペットの使い方さえわかっていれば誰でもできると思います。研究室に入りたての学生にも使ってもらっています。また、実験系によってはネガティブセレクションが必要となりますが、ネガティブセレクションのキットもあるので抗体フリーの細胞が簡単に得られるところだと思います。

———導入にあたり、最終的な決め手は何でしたか。
細胞分離にかかる時間でした。

良かった点・導入後の変化

———特に「導入して良かった」と感じるポイントはありますか
これまで評価が難しかったり、再現性が得にくい実験ができる様になったり安定する様になったことです。

———今後、どのような実験・テーマに活用していきたいですか。
近年、腸内細菌が作り出す代謝産物が免疫細胞に作用することが明らかになりつつありますが、その全容についてはまだまだ謎が多いので、その解明に活用したいと考えています。

最後に

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———これから細胞分離を始める研究者にメッセージをいただけますか。
細胞分離は、免疫細胞を扱う研究の出発点になる非常に重要なステップだと思います。どれだけ高度な解析を行っても、最初に得られた細胞の状態が悪かったり、分離に時間がかかりすぎたりすると、その後の結果に大きく影響してしまいます。
特に免疫細胞は非常に繊細で、採取後の時間や操作の負荷によって性質が変わってしまうことがあります。そのため、できるだけ短時間で、シンプルに、安定して細胞を分離できる方法を選ぶことは、実験の再現性を高めるうえでとても大切です。
これから細胞分離を始める研究者の方には、「難しそうだから」と構えすぎず、まずは扱いやすい方法から始めてみてほしいと思います。細胞分離が安定すると、解析できる細胞種や実験条件の幅が広がり、これまで見えなかった免疫細胞の反応や新しい研究テーマに出会える可能性があります。
個人的には、細胞分離は単なる前処理ではなく、研究の可能性を広げるための重要な技術だと感じています。

———安定した細胞分離技術が研究を支えているんですね。EasySepをおすすめしたいのはどんな方ですか。
EasySepをおすすめしたいのは、免疫細胞を短時間で、できるだけ良い状態のまま分離したい方です。特に好中球やNK細胞、形質細胞様樹状細胞のような繊細な細胞、あるいは血中で割合が低い細胞を扱う研究者には相性が良いと思います。
また、学生や若手研究者にも細胞分離を任せたい研究室、複数条件を同時に処理したい研究室にもおすすめできます。操作がシンプルで再現性も出しやすいので、細胞分離を実験のボトルネックにしたくない方には、とても使いやすい方法だと思います。

オンラインセミナーのお知らせ

本記事についてより詳細の内容をお話しいただくオンラインセミナーを予定しております。 岩澤先生のご研究内容、EasySep導入のメリットについてより詳しく知りたい方は下記よりお申込みください。
また、LIVE配信の参加者は直接先生へご質問いただけます

タイトル
“良い細胞”から始める免疫研究
―免疫細胞分離と機能性分子探索への応用―
日時
【LIVE配信】2026年7月29日(水) 17:30 – 18:30 LIVE配信の事前登録はこちら>>
【録画配信】2026年8月4日(火) 17:30 – 18:30 録画配信の事前登録はこちら>>
利用システム
Zoomウェビナー(オンラインセミナー)
講師
東洋大学 ライフイノベーション研究所
順天堂大学 静岡災害医学センター
岩澤 卓弥 先生
対象
・細胞分離にご興味のある方
・これから細胞分離を始めようとしている方
・免疫細胞を実験で使う方
など

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研究者紹介

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岩澤 卓弥 先生

東洋大学 ライフイノベーション研究所
順天堂大学 静岡災害医学センター

※ 所属や役職等は掲載当時のものです

ご学歴

2010年:東京都都立北園高等学校普通科 卒業
2014年:東京電機大学理工学部理工学科生命理工学系 卒業
2016年:東京電機大学大学院理工学研究科生命理工学専攻修士課程 修了 修士(工学)
2019年:東京電機大学大学院先端科学技術研究科物質生命理工学専攻博士課程 修了 博士(理学)

ご職歴

2011年〜2019年:株式会社国大グループホールディングス サイエンス主任兼プログラミング主任
2013年〜2025年:防衛省 陸上自衛隊予備自衛官
2019年:山口大学医学部免疫学講座 実験補助員
2019年〜2020年:石原産業ジェノミディア株式会社 品質管理部 研究員
2020年〜2021年:順天堂大学 静岡災害医学研究センター 実験補助者
2021年〜2023年:東洋大学 生体医工学研究センター 研究助手
2021年〜現在に至る:順天堂大学 静岡災害医学研究センター 研究支援者
2023年〜現在に至る:東洋大学 ライフイノベーション研究所 研究助手
2022年〜現在に至る:東洋大学 非常勤講師(生物学・情報処理数学・プログラミング言語)

ご受賞歴

2016年3月:東京電機大学 学長賞 受賞
2019年3月:東京電機大学 丹羽保次郎賞 受賞
2024年12月:日本機能性食品医用学会 若手優秀演題賞 受賞

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