注目の製品情報

2018/04/23

マウス間葉系幹細胞用培地「MesenCult」がバージョンアップ!

  • 用途別細胞培養

STEMCELL Technologies社の「MesenCult™」は、マウス間葉系幹細胞(Mesenchymal stem cell:MSC)の増殖、分化用培地として研究に使われています。
MesenCultのさらなる品質と信頼性の向上のため、このたびラインナップをリニューアルいたしました。
間葉系幹細胞研究のニーズに応える最新の製品群を、是非ともご活用ください。

間葉系幹細胞について

骨髄間質は当初、骨髄の造血成分の構造骨格として機能すると考えられていました。それ以来、間質は異種細胞集団で構成されており、物理シグナルと化学シグナルの組み合わせによって骨髄中の造血幹細胞(HSC)の増殖・分化に対して正負両方の調節作用を有することが広く証明されています。また間質には間葉系幹細胞(MSC)と呼ばれる別の非造血細胞も含まれており、これらは自己複製することも、骨、軟骨、筋肉、腱、脂肪へ分化することも可能です。MSCがHSCと非常に似ている点は、数が極めて少なく、骨髄細胞100,000個中1個という頻度でしか存在しないことです。MSCはまた、「Mesengenesis」と呼ばれる造血に類似した段階的成熟過程を経て種々の成熟細胞型を生じます。これらの細胞が骨形成原(骨)細胞を産生する能力を見るためのアッセイが開発されています。造血細胞と同じように、骨髄中に存在する間葉系前駆細胞の細胞表面表現型には不明な点が多く残っています。しかし、これらの細胞はコロニー形成線維芽細胞(CFU-F)アッセイでin vitroで定量することが可能です。線維芽細胞コロニーに由来する培養細胞は何代にもわたってさらに増殖することが可能であり、その後も種々の成熟細胞型に分化する能力は保持されます。より原始的な間葉系前駆細胞も存在すると考えられますが、多くの研究者達はこれらの培養細胞をその特徴から間葉系「幹細胞」と呼ぶようになりました。間葉系幹細胞の表面抗原は、CD45とCD34が陰性、CD105(SH2)、CD73(SH4)、CD90(Thy-1)が陽性と定義されています。

マウス間葉系幹細胞の増殖

MesenCult Expansion kit (Mouse)

MesenCult Expansion kit (Mouse)(製品コード:ST-05513)は、マウス骨髄および緻密骨(compact bone)由来MSCの濃縮・増殖用に最適化された培地キットです。キットに含まれるMesenPureを添加すれば、継代初期から均一で高効率な増殖を実現します。混入した造血系細胞も、連続継代や頻繁な培地交換を経ずに除去できます。培養にかかる時間を短縮すると同時に、3系列への分化能が保たれた高品質のMSCが得られます。

MesenCult Expansion kit (Mouse)の特長

  • EFFICIENT:継代0回目からMSCを濃縮し、速い増殖を実現
  • VERSATILE:骨髄、緻密骨、脂肪由来MSCおよび胚線維芽細胞(MEF)に最適化
  • FUNCTIONAL:3系統分化能を維持した均一なMSCを培養
  • RELIABLE:最小に抑えたロット間差で、再現性を向上

対象となる研究分野

マウスMSCを用いた基礎研究

例:線維性疾患、骨形成、脂肪生成、軟骨形成

マウスMSCを用いた前臨床研究

例:免疫調節、組織再生、創薬スクリーニング、疾患モデル、セルバンク

データ紹介

MesenCult Expansion Kit (Mouse) でマウス骨髄由来MSCを長期増殖

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MesenCult Expansion Kit (Mouse) を用いて低酸素条件下で培養したものです。Commercial Mediumと比べ、優れた長期増殖効率を示します。さらに、MesenPureを添加することで、MSCの純度は継代0回の時点で既に高く、継代8回以降も増殖効率が改善されていました。
Commercial Medium 1, 2:市販の培地(各製品が推奨する条件で培養)。

 

「MesenPure」の添加により造血系細胞の混入を抑止

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MesenCult Expansion Kit (Mouse)で増殖した、継代2回のマウス骨髄由来MSCをフローサイトメトリー解析したものです。MSCを間葉系幹細胞のマーカーであるCD106、Sca1、または造血系細胞のマーカーであるCD45で染色。MesenCult Expansion Kit (Mouse) にMesenPureを添加した場合、しない場合(Control)よりも造血系細胞の混入が抑えられ、均一なCD45-(CD106+ and Sca1+)のMSC集団が得られます。

 

マウス間葉系幹細胞の分化

MesenCult Adipogenic Differentiation Kit (Mouse)

MesenCult Adipogenic Differentiation Kit (Mouse)(製品コード:ST-05507)は、マウスMSCから脂肪細胞への分化用培地キットです。緻密骨、骨髄、脂肪由来の間葉系幹細胞(MSC、ADSC)および胚線維芽細胞(MEF)から、脂肪生成系列へと10-14日で安定的に分化させることが可能です。
培地にはL-Glutamine(製品コード:ST-07100)の添加が必要になります。

MesenCult Osteogenic Stimulatory Kit (Mouse)

MesenCult Osteogenic Stimulatory Kit (Mouse) (製品コード:ST-05504)は、マウスMSCやMEFから骨芽細胞への分化用培地キットです。2-3週間程度で分化します。MSCやMEFのキャラクタリゼーションおよび骨形成の研究にご使用になれます。

MesenCult-ACF Chondrogenic differentiation Medium

MesenCult-ACF Chondrogenic differentiation Medium(製品コード:ST-05455)は、間葉系幹細胞から軟骨形成細胞への分化用培地です。ヒト用ですがマウスMSCにもご使用になれます。

データ紹介

マウス緻密骨由来MSCからの分化

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(A)MesenCult Osteogenic Stimulatory Kit (Mouse) で分化させた骨芽細胞。緻密骨由来MSCを3回継代培養後にEasySep Mouse Mesenchymal Stem/Progenitor Cell Enrichment Kit(製品コード:ST-19771)で濃縮後さらに1回継代し、MesenCult Osteogenic Stimulatory Kit (Mouse) で骨芽細胞へ分化させました。強固な骨マトリックスが形成されています(Ca2+沈着物をアリザリンレッドで染色)。
(B)MesenCult Adipogenic Differentiation Kit (Mouse)で分化させた脂肪細胞。3回継代した緻密骨由来MSCから分化した脂肪細胞をOil red Oで染色したものです。
(C)MesenCult-ACF Chondrogenic Differentiation Mediumで分化させた軟骨細胞。2回継代後、MesenCult-ACF Chondrogenic Differentiation Mediumを用いて、21日間(20% O2)ペレット培養で分化させました。濃青色に染色された軟骨細胞外マトリックスと豊富な同原軟骨細胞群が、軟骨細胞に分化したことを示しています。

 

マウス間葉系幹細胞研究 製品選択ガイド

STEMCELL Technologies社の「MesenCult」シリーズは、ヒトまたはマウス間葉系幹細胞の分離、培養・増殖、凍結保存から分化までのラインナップを揃えています。

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(製品名は2018年9月現在)

 

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