ラーニングコーナー
2026/05/21
凍結したプライマリーセルの融解
- 細胞分離
ヒト初代細胞をすぐに使用しない場合、液体窒素中で凍結保存することが一般的です。新鮮なサンプルの処理が難しい場合は、単核細胞、分離した免疫細胞、造血幹細胞などの凍結した初代細胞を購入することも可能です。凍結細胞の融解時には、適切な手技・管理により、次の実験に活用するための細胞の生存率・回収率・機能性を最適に保ちます。
ここでは、凍結された初代細胞の融解手順を紹介します。細胞種ごとに推奨する方法が異なる場合があるため、購入した細胞の製品情報シートをご確認ください。
(ThawSTAR® CFT2やThawSTAR® CB自動凍結細胞融解システムを利用すると、コンタミネーションのリスクを減らし、凍結バイアルやクライオバッグを手軽かつ均一に融解することができます。)
本稿の内容は、STEMCELL Technologies社ウェブサイトの記事「How to Thaw Frozen Primary Cells」を引用し、編集、掲載しております。
本稿の内容も掲載した「血液細胞の調製・分離ハンドブック」が完成しました。
細胞分離の基本原理から、実験現場ですぐに使えるプロトコール、さらに免疫磁気分離・比重遠心分離・自動化手法までを徹底網羅!
関連製品として簡便で細胞へのダメージが少ない細胞分離試薬「EasySep」のサンプルのご用意もございます。
詳細は下記バナーよりご確認ください。
使用する試薬・器具
- ヒト初代細胞(凍結)
- 推奨培地(例)
- Iscove's Modified Dulbecco Medium(IMDM、ST-36150) + 10% FBS
- DMEM + 4,500mg/L D-Glucose(ST-36250)+10% FBS
- RPMI 1640 Medium(ST-36750)+10% FBS - 2% FBS含有PBS(例)
- Dulbecco's Phosphate Buffered Saline with 2% FBS(ST-07905) - 2 mL セロロジカルピペット
例: Falcon® セロロジカルピペット 2 mL(ST-38002) - 25 mL セロロジカルピペット(例)
例:Falcon® セロロジカルピペット 25 mL(ST-38005) - 50 mL コニカルチューブ
例:Falcon® コニカルチューブ 50 mL(ST-100-0090) - 1 mg/mL DNase I 溶液(ST-07900)
- 血球計算盤およびカバーグラス
- トリパンブルー(ST-07050)
- マイクロピペット
- ピペットチップ
パートI:準備
注: 非低温条件でのDMSOへの長時間さらされることを防ぐため、凍結細胞バイアルは一度に1本ずつ融解することをお勧めします。
1. 培地を37℃のウォーターバスで温めておきます。細胞分離のために融解する場合は、2% FBS含有PBSも使用可能です。
注: 凍結細胞を保存場所から取り出す際は、室温(15 - 25℃)への曝露を最小限に抑えることが重要です。すぐに融解しない場合は、細胞をドライアイスまたは液体窒素容器に入れて保存してください。
パート II : 細胞の融解
2. 細胞バイアルの外側を70%エタノールまたはイソプロパノールで拭き取ります。
注: 細胞生存率と回収率を高めるには、以下の手順を迅速に行うことが重要です。
3. バイオセーフティキャビネット内で、キャップを4分の1回転させて内部の圧力を逃し、再度しっかり閉めます。
4. バイアルを穏やかに回しながら、37℃のウォーターバスで素早く細胞を融解します。少量の氷が残っている状態でバイアルを取り出してください。所要時間は約1 - 2分です。細胞をボルテックスしないでください。
パートIII: 細胞の洗浄とカウント
5. バイアルの外側を再度70%エタノールまたはイソプロパノールで拭き取ります。
6. バイオセーフティキャビネット内で、2 mLのセロロジカルピペットを使い細胞懸濁液の全体量を測定します。この値は手順12で得られた細胞数の算出に使用します。混合のため、細胞をバイアルに戻してください。
7. 細胞数を計測するため、20 μLの細胞を取り分けます。生存率評価にトリパンブルーを使用する場合、1 x106個以上の細胞には、最低20 μLの培地を加え、加えた培地量を記録してください。1 x 106個未満の場合は、20 μLのトリパンブルーへ直接希釈します。希釈した細胞溶液は手順12まで保存してください。血球計算盤を用いた細胞数カウント方法の詳細は、「血球計算盤を使用した細胞の計測方法」(How to Count Cells with a Hemocytometer)に記載されたプロトコールをご参照ください。
重要: 生細胞数は、融解直後(洗浄前)に採取したサンプルで測定する必要があります。これにより、洗浄前の細胞数を確認し、洗浄工程における潜在的な細胞の損失を追跡できます。洗浄工程では、最大30%の細胞の損失が予想されます。
8. 残りの細胞懸濁液をピペットを使って50 mLコニカルチューブに移します。
9. バイアルを1 mLの培地で洗浄し、50 mLチューブを穏やかに回しながら、培地を少量ずつ細胞に加えてください。
10. 15 - 20 mLの培地を少量ずつ加えながら、チューブを穏やかに回して洗浄します。
11. 細胞懸濁液を300 x g、室温(15 - 25℃) で10分間遠心します。
12. トリパンブルーを使用する場合は、手順7の細胞懸濁液で細胞数をカウントしてください。
13. ピペットを使い、細胞ペレットが乱れないよう少量の培地を残して上清を慎重に除去します。チューブを穏やかに弾いてペレットを再懸濁してください。
14. 細胞が凝集し始めた場合は、細胞懸濁液1 mLあたり100 μgのDNase I 溶液を加え、室温で15分間静置します。
注: 細胞をDNAまたはRNA抽出に使用する場合は、DNase I 溶液を加えないでください。
15. 培地15 - 20 mLをチューブに穏やかに加えます。
16. 細胞懸濁液を300 x g、室温で10分間遠心します。
17. ピペットで注意深く上清を除去し、細胞ペレットが乱れないよう少量の培地を残してください。ペレットはチューブを優しくフリックして再懸濁します。
18. 融解した細胞は、MethoCult™による造血前駆細胞コロニーアッセイ、ImmunoCult™によるin vitro細胞増殖培養、EasySep™による細胞分離など、下流の実験にすぐ使用できます
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