ラーニングコーナー
2026/05/20
末梢血単核細胞( PBMC )の凍結保存
- 細胞分離
凍結保存は、全血やLeukopakから分離したヒト末梢血単核細胞(PBMC)などの細胞を長期保存するために一般的に使用される手法です。PBMCの凍結保存では、細胞を凍結保存液に再懸濁し、超低温まで徐々に冷却してから、必要になるときまで液体窒素の温度(-135ºC以下)で保存します。細胞が必要になった時点で、凍結保存したPBMCを融解してから、EasySep™による細胞サブセットの分離のような下流のアプリケーションで使用できます。
多くの場合、研究室で自家調製した凍結保存液には、栄養分が豊富で、細胞を保護するとともに、融解後の回復を補助するウシ胎仔血清(FBS)が含まれます。ただし、FBSは、ロット間のばらつきと、場合によっては感染病原体の感染リスクの懸念が生じます。生物学的製剤の製造のような、商用または臨床アプリケーションでは、一般的に無血清の凍結保存液が推奨されます。ジメチルスルホキシド(DMSO)
は、浸透圧変化による細胞損傷を防ぐ凍結保護物質として、凍結保存液中で広く使用されています。
適切な凍結保存液を使用し、細胞濃度と凍結速度を適切に管理することで、融解後のPBMCの生存率と機能を良好に維持することができます。以下のプロトコールでは、PBMCを正常に凍結保存する2種類のオプションについて概要を示します。
・無血清凍結保存液を使用する場合:
CryoStor® CS10(ST-100-1061)は、10% DMSO含有の無血清かつ動物由来成分フリーの凍結保存液です。
凍結、保存、融解の各工程において細胞や組織を安全に保存できます。
・血清含有調製物を使用する場合:
10% DMSO含有90% FBS溶液は、研究室で調製可能であり、一般的に使用されている凍結保存液です。
低コストで効率的な凍結保存が可能です。
本稿の内容は、STEMCELL Technologies社ウェブサイトの記事「
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使用する試薬・器具
- 以下のいずれかの凍結保存液
CryoStor® CS10 (ST-100-1061)
DMSO および非働化処理済み FBS - 凍結保存用バイアル(例: ST-38053)
- イソプロパノール凍結容器( 例: Nalgene® Mr.Frosty) またはコントロールレートフリーザー
- マイクロピペット
- ピペットチップ
プロトコール:方法 1 : CryoStor® CS10 を使用する凍結保存
- CryoStor® CS10容器の外側を70% エタノールまたはイソプロパノールで拭いてから、キャップを開きます。
- 凍結保存用バイアルにラベルを貼ります。
- PBMCがシングルセル懸濁液の状態にあることを確認します。300 x gで10分間遠心し、細胞ペレットを集めます。
- 細胞ペレットを乱さないように、上清を少量残し、ピペットを使用して上清を慎重に除去します。
- チューブを穏やかに揺らして、細胞ペレットを再懸濁します。
- 低温(2 - 8ºC)のCryoStor® CS10を添加し、よく混和して、凍結保存用バイアルに懸濁液を移します。
注: 分離したPBMCは、0.5 - 10 x 106 個/mLの細胞濃度で凍結することを推奨します。ただし、複数の細胞濃度での凍結を試行し、融解後に望ましい生存率、回収率および機能が得られる最適な濃度を検討・決定する必要があります。特定のアプリケーションにおいて高い細胞濃度で凍結を行う場合は、細胞の生存率が低下する可能性があるため、事前に十分なバリデーションおよび最適化がを実施することが必要です。 - 2 - 8ºCで10分間、細胞をインキュベートします。
- 標準的な緩慢凍結法のプロトコール(約-1ºC/分)にて、コントロールレートフリーザーまたはイソプロパノール凍結容器(例: Nalgene® Mr. Frosty)で細胞を凍結保存します。イソプロパノール凍結容器を使用する場合は、凍結保存用バイアルを容器に入れ、-80ºCのフリーザーに一晩静置します。
- 長期保存する場合は、凍結したPBMCのバイアルを、フリーザーまたは凍結容器から取り出し、気相液体窒素内(-135ºC以下)に移します。液体窒素内に移す際は、ドライアイス上にバイアルを置き、室温にさらされる時間を最小限に抑えてください。
注: -80ºCでの長期保存は推奨していません。
プロトコール:方法2 : DMSOおよびFBSを使用する凍結保存
- このプロトコールは、保存液すべてを冷却してから開始してください。
- FBSの使用に関連する安全上の懸念がある場合は、CryoStor® CS10などの無血清かつ動物由来成分フ リーの凍結保存液を使用してください。
- 20% DMSO含有FBS溶液を調製します。氷上に置いておきます。
注: 100% DMSOを氷上に置かないでください。氷上に置くと結晶が生成されます。DMSOにはガラスピペットを使用してください。 - 凍結保存用バイアルにラベルを貼ります。
- PBMCがシングルセル懸濁液の状態にあることを確認します。300 x gで10分間遠心し、細胞ペレットを集めます。
- 細胞ペレットを乱さないように、上清を少量残し、ピペットを使用して上清を慎重に除去します。
- PBMCを低温のFBSで再懸濁し、濃度を1 - 20 x 106個/mLにします。氷上に静置します。
- 20% DMSO含有FBS溶液と細胞を1 : 1の比で穏やかに混和します。最終的な細胞懸濁液は10% DMSO含有90% FBS溶液となり、最終的な細胞濃度は0.5 -10 x 106 個/mLになります。細胞懸濁液1 mLを各凍結保存用バイアルに速やかに移します。
注: 複数の細胞濃度で凍結を試行し、融解時に望ましい生存率、回収率、濃度を決める必要があります。 - 凍結保存用バイアルをイソプロパノール凍結容器(例:Nalgene® Mr. Frosty)にすぐに入れます。-80ºCのフリーザーに容器を一晩静置します。
注: 凍結保存液を添加した細胞を室温に静置しないでください。氷上に置き、速やかに移してください。 - 長期保存する場合は、凍結したPBMCのバイアルを気相液体窒素内(-135℃以下)に移します。-80℃のフリーザーから液体窒素内に移す際には、ドライアイス上にバイアルを置いて、室温にさらされる時間を最小限に抑えてください。
注: -80ºCでの長期保存は推奨していません。
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