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2018/07/02

ヒトES/iPS細胞から効率よく神経誘導「STEMdiff SMADi Neural Induction Kit」

  • 用途別細胞培養

ヒト多能性幹細胞(ヒトES/iPS細胞、hPSC)からの神経誘導系を新たに立ち上げる方や、中枢神経系への神経誘導効率の低さ・バラつきにお困りの方に是非おすすめしたい、STEMCELL Technologies社のSTEMdiff SMADi Neural Induction Kit(製品コード:ST-08581、08582)をご紹介します。
STEMdiff SMADi Neural Induction Kitは、ヒトES/iPS細胞由来 神経研究向け培地「STEMdiff Neural System」製品群に、2017年に加わった製品です。

STEMdiff SMADi Neural Induction Kitについて

STEMdiff SMADi Neural Induction Kitの特長

STEMdiff SMADi Neural Induction Kitには、以下の特長があります。

  • 血清フリーの組成
  • ヒトES/iPS細胞から中枢神経(CNS)タイプの神経前駆細胞へ高効率に誘導
  • non-CNS細胞タイプへの分化は抑制
  • 通常は神経誘導しにくいES/iPS細胞株にも有効
  • 得られた神経前駆細胞からの、神経・グリア細胞への分化効率が向上
  • EB法、モノレイヤー法どちらでも神経誘導が可能
  • mTeSR1、TeSR-E8どちらで維持された細胞株からも神経誘導が可能

STEMdiff SMADi Neural Induction Kitの内容

従来のSTEMdiff Neural Induction Medium(製品コード:ST-05835、ST-05839)に、SMADi Supplementが追加されたキットです。
Supplement(※)の成分がTGF-β/BMP依存性のSMADシグナルを阻害することにより、高品質でない、あるいは神経誘導しにくい細胞株でも神経誘導効率の向上が期待できます。
※ Studer protocolの「dual SMAD inhibition」を基に開発された組成ですが、組成の詳細は非開示です。

 

神経誘導のプロトコール EB法 or モノレイヤー法

STEMdiff SMADi Neural Induction Kitは、EB法とモノレイヤー法のどちらでも神経誘導が可能です。
両方法の比較を簡単にまとめました。

神経誘導プロトコール
EB法 モノレイヤー法
シングルセル神経前駆細胞までの日数 16 - 19 6 – 9
神経誘導の確認方法 目視および表現型での同定 表現型での同定のみ
Natural rosette選択操作の必要性 Yes No
適合するヒトES/iPS細胞維持培地 mTeSR1、TeSR-E8* mTeSR1、TeSR-E8

* TeSR-E8で維持された細胞をEB法で神経誘導する際は、SMADi supplementの添加が強く推奨されます。

 

従来品との比較データ

従来のSTEMdiff Neural Induction Medium(NIM)では、ES/iPS細胞の品質や細胞株の種類によっては、CNSタイプの神経前駆細胞の誘導効率が低下する場合があります。また、EB法ではNeural rosetteの選択操作によって神経前駆細胞を濃縮できますが、モノレイヤー法ではそれもできません。
STEMdiff SMADi Neural Induction Kit(NIM + SMADi)では、EB法、モノレイヤー法どちらのプロトコールでもCNSタイプの神経前駆細胞の誘導効率が向上し、再現性の高い神経誘導が可能になります。またモノレイヤー法では、濃縮操作やEB形成用プレートも不要なので、簡便でコスト削減につながります。

mTeSR1で維持されたヒト多能性幹細胞から神経誘導した際のマーカー発現

SMADi Supplementの添加(NIM + SMADi)により、EB法、モノレイヤー法ともにCNSマーカー(PAX6, SOX1)の発現が顕著になりました。

SMADi_NIM_compared.jpg

 

モノレイヤー法で7日間神経誘導した際のマーカー発現

SMADi Supplementの添加(NIM + SMADi)により、CNSマーカー(PAX6, SOX1)陽性細胞の割合が有意に上昇し、神経堤マーカー(SOX10)陽性細胞は激減しました。

SMADi_NIM_compared_graph.jpg

 

神経・グリア細胞への分化成熟

STEMdiff SMADi Neural Induction Kitで得られた神経前駆細胞は、さらに分化成熟させることが可能です。たとえば、以下の無血清培地を利用できます。

ニューロンへの分化・成熟

  • STEMdiff Neuron Differentiation Kit(ST-08500)
  • STEMdiff Neuron Maturation Kit(ST-08510)

ドーパミン作動性ニューロンへの分化・成熟

  • STEMdiff Dopaminergic Differentiation Kit(ST-08520)
  • STEMdiff Dopaminergic Maturation Kit(ST-08530)

アストロサイトへの分化・成熟

  • STEMdiff Astrocyte Differentiation Kit(ST-08540)
  • STEMdiff Astrocyte Maturation Kit(ST-08550)

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