注目の製品情報
2020/11/17
MassARRAY Systemで実現する、ゲノム変異の定量/定性解析
- 遺伝子解析
Agena Bioscience社 商品取扱終了のお知らせ
MassARRAY® Systemは、エンドポイントPCRと、MALDI-TOFベースの質量分析技術を利用した、遺伝子解析プラットフォームです。
高度なマルチプレックス反応により、DNAの変異やメチル化を迅速に、高精度に、高い費用対効果で検出することが可能です。
材料が限られている場合の標的遺伝子検査に優れたソリューションを提供します。
【MassARRAY資料リンク集はコチラ】アプリケーションごとに日本語資料、動画、論文等をまとめています!
製品概要
MassARRAY Systemは、質量分析を利用してSNP(一塩基多型)、INDEL(挿入/欠失)およびCNV(コピー数多型)を正確に計測する、ノンラベル検出プラットフォームです。標的遺伝子(または標的DNA断片)をPCR増幅し、増幅したDNA断片をテンプレートとして一塩基伸長反応を行います。その後少量の産物をSpectroCHIP® Arrayに載せ、MALDI-TOFで質量分析を行います。
クリニカル領域を主なターゲットとしており、医療検査機関をはじめ、世界中で導入されています。日本国内では医療機器(Class I)取得済みです。
<MassARRAY System紹介動画>
<MassARRAY Systemのポジション>
qPCR | MassARRAY System | NGS system | |
1ランで解析可能な遺伝子変異・SNP数(サンプルあたり) | 1~ |
数10~数100 |
数1000~ |
同時解析可能なサンプル数 | 1~ |
最大192(96well)、768(384well) |
最大336* |
解析にかかる時間(全体) | 約3時間 |
約9時間 |
約2日 |
バイオインフォマティクス解析 | 不要 | 不要 | 必要 |
アプリケーション | 単一変異・CNVの解析 | 複数変異・CNVの解析 | 大規模変異解析 |
*illumina社Hiseqの場合
特長①:多検体および多遺伝子を低コストで解析
これまで遺伝子変異解析で用いられてきたマイクロアレイやリアルタイムPCRは、一度に解析できる検体数や、検出できる遺伝子数が限られていました。また、次世代シーケンサー(NGS)を使った網羅的な解析はコストが高いことやアッセイの複雑さ、スループットといった難点があります。 MassARRAY SystemではマルチプレックスPCRにより、1ウェル当たり最大40種の遺伝子変異・SNPが解析可能です。また、高い拡張性とハイスループットを可能にするSpectroCHIP Arrayを使うことで、最大192検体(96 wellプレートの場合)が同時解析可能です。
さらに同じSpectroCHIP®を用いて異なる遺伝子セットの解析も可能です。変異検出にかかるトータルコストが低減できるため、ルーチンの解析に最適です。
<SpectroCHIPについて>
1ウェルで最大40種の変異(SNP)を解析可能です。ウェルごとに検出可能な変異を設定することも可能です。
※CPM(後述)が付属した装置の場合、従来のチップより高感度なSpectroCHIP CPMを利用できます。
SpectroCHIPの製品概要はこちらをご覧ください。
特長②:簡便なワークフローで短時間解析
実験は4ステップで構成されています。
<実験のワークフロー>
1: マルチプレックスPCR
2: SAP処理
3: エンドポイントPCR(一塩基伸長反応)
4: MassARRAY Analyzer 4 (MA4)による質量分析
1-3までのステップはすべてサーマルサイクラーで行います。
また、必要なDNA量は1ウェル当たり10 ngと非常に少なく、貴重なサンプルも使用できます。液体生検、細胞などの由来を問わず、低品質のDNAも解析可能です。
ハンズオンタイムはわずか30分、全体でも9時間以内で解析が終了するので、他のアプリケーションよりも短時間で結果を得ることが可能です。
<CPMについて>
従来ウェルプレートからSpectroCHIPへサンプルを移動するために利用されていたNanodispenser RS1000では、操作後SpectroCHIPを手動でMA4にセットする必要がありました。また、設置場所の環境により、チップへのサンプル移動が最適に行われない場合もありました。
Chip Prep Module (CPM)はSpectroCHIPへのサンプル移動を最適な条件の下自動で行えます。これにより質量分析までの操作を自動化することができます。CPMを利用すると、PCR増幅済みのサンプルプレートをセットするだけで質量分析まで行え、手動処理の時間とリスクを大幅に低減することができます。さらに、CPM専用のチップは従来のチップより精度の高い結果をもたらします。CPMの日常メンテナンスは非常に簡単です。
特長③:高度なバイオインフォマティクス知識は不要
NGSを用いたゲノム・遺伝子解析では、得られたデータを処理するために高度なバイオインフォマティクス技術を必要とします。このため、生データからサンプルの変異型を判断するまで、多くの時間を費やしていました。MassARRAY® Systemには、統合されたデータ分析ツールとTyperソフトウェアが含まれており、結果を容易に評価・管理できます。
利用可能な項目例
・自動レポート生成
・図表・グラフ形式でデータを表示
・クラスター解析(各サンプル情報とアレル頻度をグラフ上にプロット)
・自動エラーチェック
・CSVファイル形式での結果出力
<結果の表示例>
ウェルごとに、解析した変異を確認することができます。1変異について、解析ウェルすべての結果をクラスタープロットしたものも作成されます。※表示したい内容はカスタマイズ可能です。
特長④:多彩なパネルとアプリケーション
MassARRAY Systemは、検出可能な変異遺伝子が予めデザインされているパネルのほか、お客様が希望される標的遺伝子解析プライマーを組み合わせた、オリジナルパネルのデザインによる解析も可能です。
クリニカル研究分野をはじめ、幅広いアプリケーションにご利用いただけます。
とくに多検体、多遺伝子の解析を継続的に行いたい場合に最適です。また、NGS解析で得られた変異候補遺伝子の検証にもお使いいただけます。
詳細は各ページをご覧ください。
- メチル化解析
- キメリズム検査
- ジェノタイピング:品種や個体識別、系統解析
- 薬理遺伝学(ファーマコゲノミクス)
- 変異解析:腫瘍、低頻度変異検出
<製品ラインナップ>
ご希望のアプリケーションでアッセイ方法が異なります。
iPLEX® Pro | iPLEX HS | UltraSEEK | MassCLEAVE | |
アプリケーション | バイオマーカー検証、PGx、遺伝疾患検査、家畜や植物品種の検査 | 体細胞変異、低頻度変異、サンプル品質確認(QC)、遺伝子組み換え作物のスクリーニング | 発がん抵抗性、疾病進行の超高感度解析 | メチル化解析(エピジェネティック解析、バイオマーカー検証、環境因子検証、疾病予後マーカー) |
検出限界 | 5-10% | ≧1% | ≧0.1% | ≧5% |
定量範囲 | 5-100% | 1-20% | 0.1-10% | 5-100% |
サンプル | 血液、口腔スワブ、新鮮凍結組織、FTAカード、毛包、耳パンチ、全ゲノムDNA | FFPE、新鮮凍結組織、微細針吸引生検、セルブロック、コア針生検 | 血漿、セルフリーDNA(cfDNA)、血中腫瘍DNA(ctDNA)、血中循環腫瘍細胞(CTC) | 血液、FFPE、新鮮凍結組織 |
パネル例 | VeriDoseシリーズ、Chimeric ID Panel、Sample ID Panel | iPLEX HS Colon Panel | UltraSEEK Colon Panel | EpiTyper試薬 |
デザイン済みパネル:Agena社でデザインされたパネルです。各分野の研究に適した遺伝子変異の解析が可能です。
- PGxパネル
- 固形腫瘍パネル
- 各種がんパネル:肺がん・大腸がん・メラノーマ ※cfDNA対応パネルもございます
- サンプル識別パネル
- キメリズム解析パネル
このほかのパネルについてはお問合せください。
オリジナルSNPパネルによるジェノタイピングも可能
任意のSNPsを対象に、お客様ご自身で自由にパネルをデザインし、ジェノタイピングすることも可能です。下記のように様々な生物種を対象に解析例がございます。
- 遺伝性の疾患関連遺伝子変異の検出
- ヒト遺伝子の多型解析
- 家畜の親子鑑定
- 植物のQTL解析
- 魚介類の種内解析
- 細菌の種以下のタイピング
文献情報をご希望の場合はお問い合わせください。
専用ソフト(Assay Design Suiteソフトウェア)によるプライマーデザイン
Assay Design SuiteはMassARRAY System専用のプライマー設計ツールです。AgenaCx(https://agenacx.com/)にてユーザー登録後、利用することができます。ツールは無償で利用できます。
SNP情報などを元にPCRプライマー、一塩基伸長プライマー両方のデザインが可能です。
試しにパネル作成してみたい、様々な条件でパネルを検討してみたい、設計にかかるコストを抑えたい場合に便利です。
※本ツールはプライマー設計のみです。設計したオリゴはお客様ご自身でご用意ください。
Agena Bioscience社によるプライマーデザインサービス(Assays by Agena: AbA)
Assays by Agenaサービスでは、Agena社のスタッフが解析パネル作成をトータルサポートいたします。解析をしたいSNP情報を元に専門スタッフがプライマー設計、パネル設計を行い、実験的な検証まで実施します。本サービスでは規定サンプル数分のプライマーオリゴが提供されます。
<過去のデザイン実績> 小児難聴、家畜の親子鑑定、植物のQTL解析、 健康にかかわる遺伝子など
お客様ご自身での検証が難しい場合や、今後も多数のサンプルをルーチンで処理したい場合にご利用ください。詳細はお問い合わせください。
オリジナルパネルに使用する試薬キットについて
Comp iPLEX Pro Genotyping Set CPMをご利用ください。
関連記事リンク
関連製品
-
MassARRAY システム with Chip prep module
-
Comp iPLEX HS Lung Panel CPM
-
Comp iPLEX HS Colon Panel CPM
-
Comp UltraSEEK Colon Panel CPM
-
Comp UltraSEEK Lung Panel CPM
-
Comp iPLEX Pro Genotyping Set CPM
-
MassARRAY System用レジン
-
SpectroCHIP Kit
-
Chimeric ID Panel CPM
-
VeriDose CYP2D6 CNV Panel CPM
-
VeriDose Core Panel CPM
-
SARS-CoV-2 Panel (RUO)