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2021/01/13

COVID-19との戦いの中で、移植患者を保護するための新しい診断ツール

  • 移植・HLA・MHC

LABScreen™ COVID Plus

移植患者おける新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) の影響はまだ完全には理解されていませんが、研究によってウイルス感染のエピソードが、移植患者の抗HLA抗体プロファイルの変化につながる可能性があるデータが出始めています。したがって、COVID-19感染、および将来のCOVID-19ワクチンが抗HLA抗体プロファイルの変化を誘発する可能性があることを移植術の中では考慮する必要があります。LABScreen™ COVID Plusアッセイは複数の異なる抗体とフラグメントを検出することにより、これらの変化をより正確に捉え、移植における抗HLA抗体検査の精度を上げる可能性が示唆されています。

※LABScreen COVID Plusは研究用試薬です。

LABScreen™ COVID Plus1.png

COVID-19感染の移植患者への影響

研究により、COVID-19や同様の病原体ウイルス感染が抗HLA抗体の発生につながることがわかっています。複数の異なる抗体とフラグメントを備えたこの試薬は他のCOVID-19抗体検査よりも特徴的で、LABScreen Single Antigenと組み合わせることにより患者の抗体プロファイルを提供します。
患者の抗HLA抗体プロファイルのプロセスを支える正確なメカニズムについてはまだ議論の余地がありますが、新たなコンセンサスはCOVID-19などの病原性ウイルス感染が既往症のB細胞応答を引き起こす可能性があるというものです。そのような記憶反応は、抗HLA抗体反応の幅(種類)と強さに対して影響を与える可能性があります。
COVID-19の感染リスクとして、COVID-19感染の腎移植のレシピエントの死亡率は32%(TANGO2020)あり、移植患者におけるCOVID-19抗体の存在とその力価は移植手術のリスクを評価する上で重要となっています。また、高リスクの患者は、より高いレベルの免疫抑制が必要となり、COVID-19の偽陰性の場合にはリスクが高くなることが考えられます。

One Lambda社 の取り組みと製品開発

One Lambda社はこのCOVID-19感染と移植との関係性の調査・研究のために、Emory University 、Stanford University、University of Cincinnati University Health Networkと下記の項目を研究の焦点として共同研究を実施し、製品開発を行いました。

▶リスクの特定

  • SARS-CoV-2に対する液性免疫を理解することで、前もって呼吸困難のリスクの高い患者を事前に特定することを可能にすること

▶臨床的関連性

  • 病原体への過去の曝露を決定するための単純な定性的テストとは異なり、抗原パネルと対応する抗体のスペクトルを使用して、臨床的なアウトカムを予測すること

▶治療効果

  • より高い解像度と半定量的な抗体プロファイリングにより、医師は治療効果を評価できる可能性があること

▶パネル開発

  • 定義されたSARS-Cov-2抗原のセットに対する抗体を特定
  • Total IgG、アイソタイプIgM、IgG(1-4)、およびIgAに基づいて抗体を区別

▶リスクの階層化

  • データを収集して、COVID抗体プロファイルを使用して、患者のリスクを層別化し治療効果を測定

▶スループット

  • 病院の検査室、できればHLA検査室(患者/ POCの近くではない)で中~高サンプルスループットを可能
  • 移植ラボでのCOVID-19検査のための共通プラットフォームの必要性

▶パフォーマンス

  • 結果に信頼性を持つ感度と特異性

LABScreen™ COVID Plusとは

LABScreen COVID Plusは、定性を目的としたヒト血清または血漿 (K-EDTA加血) 中のSARS-CoV-2に対するIgG抗体の検出試薬で、精製されたSARS-CoV-2抗原がコーティングされたマイクロビーズを使用してLABScanシステム、LABScan3Dシステム (Luminex) によって測定されます。
各ビーズの抗原は下表の通りで、5種類のSARS-CoV-2の抗原がコーティングされたビーズ、4種類の他の感染原因となるヒトコロナウイルス (HCov) 由来の抗原がコーティングされたビーズ、および2種類のMERS、SARSの抗原がコーティングされたビーズの計11ビーズと陰性コントロール、陽性コントロールビーズからなります。
LABScreen COVID Plusと他の試薬の違いは、SARS-CoV-2スパイク、受容体結合ドメイン、ヌクレオカプシド、スパイクS1、季節性コロナウイルス、MERS、SARS抗原が含まれています。

LABScreen™ COVID Plus2.png

各SARS-CoV-2の抗原は以下の部分をターゲットとしています。

LABScreen™ COVID Plus3.png

測定のプロトコール

ステップ1:EDTAで検体の希釈
ステップ2:検体+ビーズ後、インキュベーション
ステップ3:二次抗体添加後、インキュベーション
ステップ4:測定(LABScanシステム、LABScan3Dシステム)

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製品

商品コード 商品名 梱包単位
OLI-LSCOV01 LABScreen COVID Plus 25 tests
LS-NC LABScreen ネガティブコントロール血清 20 tests (400μL)
OLI-LSCOV-PC LABScreen COVID Plus Postive Control 20 tests (400μL)
LS-AB2 PE Conjugated Goat Anti-Human IgG 1000 tests

特徴と利点

▶特徴

  • 包括的なSARS-CoV-2特異的マルチプレックス抗体検出パネル
  • 一般的なヒトコロナウイルス感染によって引き起こされる偽陽性反応を減らす
  • LABScanシステム、LABScan3Dシステムを使用
  • COVID-19は、スパイクタンパク質、受容体結合ドメイン、ヌクレオカプシドなどへの応答が同時に測定
  • 季節性コロナウイルス、MERS、SARS感染との交差反応性を最小限に抑える

▶利点

  • 過去のCOVID-19に感染した移植候補のスクリーニングをし、結果として生じる抗HLA抗体プロファイルの変化を考察
  • LABScreen Single Antigenとの組み合わせで抗HLA抗体およびCOVID抗体プロファイルパネルに基づいて移植レシピエントのモニタリングが可能
  • COVID-19および抗HLAの抗体検出が同一プラットフォームで可能

まとめ

  • 移植レシピエントの抗HLA抗体状態に対するCOVID-19感染の影響はまだ完全には理解されていません。しかし、ウイルス感染のエピソードが、抗HLA抗体プロファイルの変化につながる可能性があることが示唆されています。したがって、COVID-19感染、および将来のCOVID-19ワクチンが移植前後において抗体産生を誘発する事で、重要な検査のひとつである抗HLA抗体測定においてその測定に影響を及ぼす可能性があることを考慮する必要があります。
  • 抗HLA抗体プロファイルの変化は、患者の移植の判断と移植後のモニタリングも含めてリスクに深刻な影響を与える可能性があります。
  • 中和抗体を検出し、偽陽性を除外することができる移植患者のためのアッセイは、COVID-19に対する免疫応答を完全に特徴づけるために重要です。
  • LABScreen™ COVID Plusアッセイは複数の異なる抗体とフラグメントを検出することにより、これらの変化をより正確に特徴付けます。
  • COVID-19感染のエピソードと将来のワクチン投与が抗HLA抗体の状態に与える影響は今後の課題です。
  • 新たなコンセンサスは、COVID-19などの病原性ウイルス感染が既往症のB細胞応答を引き起こす可能性があるというものです。
  • そのような記憶反応は、抗HLA抗体反応の幅(種類)と強さの両方の増加をもたらす可能性があります。

関連動画

LABScreen COVID Plusに関するOne Lambda社提供の動画が4本あります。
これらは2020年のAmerican Society for Histocompatibility and Immunogenetics (ASHI) で発表されたものです。

Part 1: Testing for SARS-CoV-2 Antibodies: How it began

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Recorded webinar: Assessment of the Humoral Response to SARS-CoV-2 Infection Via Novel Multiplexed Assays
Guest speaker: Dr. Howard Gebel of Emory University in Atlanta, Georgia

 

Part 2: What is LABScreen COVID Plus?

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Recorded webinar: Assessment of the Humoral Response to SARS-CoV-2 Infection Via Novel Multiplexed Assays
Guest speaker: Dr. Robert Bray of Emory University in Atlanta, Georgia

 

Part 3: Clinical Utility of SARS-CoV-2 Antibody Testing

LSCOVID-movie-3.jpg

Recorded webinar: Assessment of the Humoral Response to SARS-CoV-2 Infection Via Novel Multiplexed Assays
Guest speaker: Dr. Deepali Kumar of University of Toronto in Toronto, Ontario

 

Part 4: Multiplexed SARS CoV2 Platforms: Future Interactions

LSCOVID-movie-4.jpg

Recorded webinar: Assessment of the Humoral Response to SARS-CoV-2 Infection Via Novel Multiplexed Assays
Guest speaker: E. Steve Woodle of UC Health in Cincinnati, Ohio

 

Refrence

  • CravediP, Suraj SM, AzziY, et al. COVID-19 and Kidney Transplantation: Results from the TANGO International Transplant Consortium [published online ahead of print, 2020 Jul 10]. Am J Transplant. 2020;10.1111/ajt.16185. doi:10.1111/ajt.16185
  • Locke JE, Zachary AA, Warren DS, et al. Proinflammatory events are associated with significant increases in breadth and strength of HLA-specific antibody. Am J Transplant. 2009;9(9):2136-2139. doi:10.1111/j.1600-6143.2009.02764.
  • CascellaM, RajnikM, Cuomo A, et al. Features, Evaluation and Treatment Coronavirus (COVID-19) [Updated 2020 Jul 4]. In: StatPearls[Internet]. Treasure Island (FL): StatPearlsPublishing; 2020 Jan-. Available from: https://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK554776/
  • Shang J, Wan Y, Luo C, et al. Cell entry mechanisms of SARS-CoV-2. PNAS. 2020;117 (21) 11727-11734. doi:10.1073/pnas.2003138117

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