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MassARRAY Systemアプリケーション紹介 ファーマコゲノミクス

[ 2018-08-29 ]

このページでは、MassARRAY Systemを用いたファーマコゲノミクス(PGx)研究についてご紹介します。

 

ファーマコゲノミクス(PGx)とは 

ファーマコゲノミクス(PGx、ゲノム薬理学)は、「それぞれの人が持つ遺伝的性質が医薬品の作用に及ぼす影響」について研究する学問領域です。2003年にヒトゲノムの解読が終了して以来、個人間で異なる遺伝子配列の違いがもたらす薬剤代謝能の差異が明らかにされてきました。

これまでのPGxの研究から、酸化還元酵素タンパク質シトクロムP450(CYP、ヒトには57種類ある)や、UDPグルクロン酸転移酵素 (UGT)、ビタミンKエポキシド還元酵素(VKORC1)の変異やコピー数が、個人の薬物代謝の動態に関与することが知られています。このような遺伝子の一塩基多型(SNP)、挿入欠失変異(INDEL:Insertion/Deletion)、遺伝子コピー数(CNV:Copy Number Variation)を調べることで、薬剤の代謝能について予測できることがわかってきました。

例えば、UGT1A1における2つの遺伝子多型UGT1A1*6 、UGT1A1*28 のいずれかのホモ接合体(*6/*6または*28/*28)、または複合ヘテロ接合体(*6/*28)を持つ人では、抗腫瘍剤イリノテカン塩酸塩水和物の代謝が遅延し、重篤な副作用発現の可能性が高まることが報告されています1。日本国内においては2008年11月に、UGT1A1遺伝子多型検査が保険適用となりました。UGT1A1以外にも、

  • CYP2D6 – サデルガ(エリグルスタット酒石酸塩)(糖脂質の合成阻害剤)
  • CYP2C9、VKORC1 – ワーファリン(ワルファリンカリウム)(抗凝固剤) 

などの遺伝子と薬剤との関連が明らかになっています。

 

1 Sai K, Saeki M, Saito Y, Ozawa S, Katori N, Jinno H, Hasegawa R, Kaniwa N, Sawada J, Komamura K, Ueno K, Kamakura S, Kitakaze M, Kitamura Y, Kamatani N, Minami H, Ohtsu A, Shirao K, Yoshida T, Saijo N. UGT1A1 haplotypes associated with reduced glucuronidation and increased serum bilirubin in irinotecan-administered Japanese patients with cancer. Clin Pharmacol Ther. 2004 Jun;75(6):501-15.

 

 

PGx研究に圧倒的な力を発揮するMassARRAY System

以下に示す特長を併せ持ったMassARRAY Systemは、PGx研究において非常に有力なツールです。

 

(1)  拡張性の高いフレキシブルなマルチプレックス解析

  • プレミックスのプライマーを用いたマルチプレックスPCR を用いて、1ウェルあたり最大40種類の SNP、INDELおよびCNVの多項目解析が可能です。

  • PGx研究に汎用性の高い、デザイン済・動作確認済の各種パネルをご用意しています。下部、【関連製品】をご覧ください。

また、お客様が希望される標的遺伝子解析プライマーを組み合わせた、オリジナルパネルのデザイン*も可能です。

*専用のソフトをお使いいただき、お客様ご自身でプライマーをデザインいただくことが可能です。また、Agena Bioscience社による動作確認まで含めたプライマーデザインサービスも承っております。

 

(2)  短時間かつ簡便な測定

  • ハンズオンタイムは30分、トータルの作業時間は9時間以内に終了します。(途中のいくつかのステップで、操作を一時停止することができます。)
  • 96ウェルのフォーマットにより、1日の解析で多数のサンプルの結果出力が可能です。
  • 自動ソフトウェアツールで、遺伝子解析データからハプロタイプのレポートを迅速に作成します。

 

MASS ARRAY System解析のワークフロー

 

 

(3)  信頼性の高いロバストな結果の取得

  • PCRによる増幅とMALDI-TOF質量分析を組み合わせたシステムのため、高感度、高精度な解析を実現します。
  • GWASやNGSで判定しづらい遺伝子領域についても高い確定性で解析できます。
  • 血液、口腔粘膜などさまざま検体由来のゲノムDNAを用いて解析が可能です。
  • 1ウェルで用いるDNA量は、わずか10 ngです。
  • 包括的なデータ評価および解釈を行うための、レポートのカスタマイズが可能です。

  

質量分析解析結果の例

 

 

 PGxレポート出力結果の例

 

 

参考文献

  • Mas et al., Intuitive pharmacogenetic dosing of risperidone according to CYP2D6 phenotype extrapolated from genotype in a cohort of first episode psychosis patients. Eur Neuropsychopharmacol. 2017 Jul;27(7):647-656.
  • Marum et al., ASXL1 and BIM germ line variants predict response and identify CML patients with the greatest risk of imatinib failure. Blood Adv. 2017 Aug 8; 1(18): 1369–1381.
  • Marcath et al., Comprehensive assessment of cytochromes P450 and transporter genetics with endoxifen concentration during tamoxifen treatment. Pharmacogenet Genomics. 2017 Nov;27(11):402-409.

 

 

関連製品

iPLEX® PGx 74パネル (AbA iPLEX Pro PGx74 Panel)

薬物代謝経路に関連する主要な20の遺伝子の中で最も関連性の高い変異体を標的とします。69のSNP/INDELと5つのCNVを調べることができます。

iPLEX Pro PGx74 Panelの解析対象遺伝子

ABCB1

CYP2B6

CYP3A4

F5

PNPLA5

APOE

CYP2C19

CYP3A5

GLP1R

SLCO1B1

COMT

CYP2C9

DRD2

MTHFR

SULT4A1

CYP1A2

CYP2D6

F2

OPRM1

VKORC1

 

VeriDose CYP2D6 CNVパネル (VeriDose CYP2D6 CNV Panel)

正確なCYP2D6遺伝子のコピー数を提供し、一般的なCYP2D6ハイブリッド対立遺伝子を検出します。また、CYP2D6遺伝子全体で6つの領域を調べます。このパネルは、同じワークフローを使用するジェノタイピングパネルと組み合わせることができます。

 

 

検査を独自に設計するためのAssay Design Suiteソフトウェアや、お客様のカスタムアッセイ開発をお手伝いするAssays by Agenaサービスもご利用いただけます。ご相談ください。

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製品リスト

製品コード

製品名

梱包単位

AGN-13160

AbA iPLEX Pro PGx74 Panel

96ウェルフォーマット x10プレート

AGN-13179

VeriDose CYP2D6 CNV Panel

96ウェルフォーマット x10プレート

AGN-13180

VeriDose CYP2D6 CNV Panel

96ウェルフォーマット x2プレート

 

 

関連リンク