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プロトコール比較:肝臓 v.s. 膵臓オルガノイド培養の違いとポイント

[ 2018-06-27 ]

過去5年間で多能性幹細胞(PSCs)または成人組織直接から体外(ex vivo)で肝臓および膵臓組織を生成させる技術は、この分野で大きなブレークスルーをもたらし、肝臓・膵臓の研究および治療の可能性を広げる大きな飛躍となりました。

肝臓および膵臓オルガノイド培養システムは、肝臓と膵臓疾患をモデル化するための非常に重要で革新的なツールとなります。

STEMCELL Technologies社の「HepatiCult」「PancreaCult」は、Huch法(Huch et al., Nature 2013および、Huch etal., EMBO J. 2013)に基づいて改良し、よりシンプルな肝臓・膵臓オルガノイド培養系になっています。

※「HepatiCult」:4~5日で肝前駆細胞オルガノイドを形成可能な無血清・definedな完全培地
※「PancreaCult」:マウス膵外分泌部オルガノイドを7日以内で確立し、維持するための無血清・definedな完全培地

 

Meritxell Huch, PhD(インタビューはこちら>>

現在:ゴードン研究所(ケンブリッジ、UK)のジュニアグループリーダー
経験:PhDを取得した後、Hubrecht Organoid Technology:The HUB でDr. Hans Cleversのもとで研究

画像出典:STEMCELL Technologies社

 

肝臓・膵臓オルガノイド培養のポイントとおすすめ

● ポイントと注意すること

  • Pre-wetting:細胞がチップやピペットに吸着し、細胞の回収量減少を防ぐため、チューブ・ピペットのPre-Wettingが効果的(収率の向上が期待される)
  • 播種密度:オルガノイドを確立する前(P1+)の播種密度は、非常に重要。高密度だと栄養が届かず、中心部細胞が死滅してしまう(その場合は継代して、周囲の細胞は再度使用可能)
  • 継代のタイミング:オルガノイドのルーメンが暗くなってから、直ぐに継代する
  • 継代希釈(2回目以降は分割比:1:10~1:30、初回はプロトコールに従う事

● おすすめ

 

肝臓v.s. 膵臓オルガノイド培養システムの比較(プロトコール比較)

肝臓オルガノイド プロトコールおよび膵臓オルガノイド プロトコールをご参照ください。

 

肝臓オルガノイド培養

膵臓オルガノイド培養

プロトコール 

  • 【準備】37-70 μmの断片を得るため、溶解した断片を2回フィルタリングする (37 μmと70 μmフィルター使用)
  • 【継代】フィルターを使用しない
  • 【準備】70 μmの断片を得るため、溶解した断片を1回フィルタリングする   (70 μmフィルター使用)
  • 【継代】70 μmフィルターを使用

ウェル 

  • ドーム培養:肝臓1個に対して→ 24ウェルの4ウェル(TC処理プレート)
  • 懸濁培養:肝臓1個に対して→ 12ウェルの4ウェル(non-TC処理プレート)

 *懸濁培養期間はドーム培養より1日短い

  • ドーム培養:膵臓1個→ 24ウェルの12ウェル(TC処理プレート)
  • 懸濁培養:膵臓1個→ 24ウェルの12ウェル(non-TC処理プレート)

*懸濁培養期間はドーム培養より1日短い

マーカー発現

  • 肝幹・前駆細胞 (PROM1, AXIN2, SOX9とCD44), ダクト(KRT19とHNF1b) および、肝前駆細胞マーカー (HNF4a, AFP)
  • 膵内分泌部ではない(B細胞,インスリン産生)
  • 主に外分泌部 (ダクト細胞)
  • 膵幹細胞 (AXIN, Lgr5),膵前駆細胞(NKX6.1, PDX1,SOX9),ダクト細胞(CAR2, MUC1, KR19)

 

 

肝臓・膵臓オルガノイドのMatrigelドーム培養システム

肝臓・膵臓オルガノイド培養は、肝管・膵管断片やシングルセルまたは凍結オルガノイドからスタート可能です。Matrigel懸濁液培養またはMatrigelドームに埋め込んだ培養も可能です。「HepatiCult」と「PancreaCult」は、Matrigelドームに埋め込んだ肝臓オルガノイドの培養および希釈したMatrigel懸濁液での肝臓オルガノイドの浮遊培養をどちらもサポートします。

「HepatiCult」を用いて、Matrigelドーム培養で得られたマウス肝管断片由来肝前駆細胞オルガノイドは、4~7日以内に継代することが可能。

「PancreaCult」を用いると、7日間以内で膵臓オルガノイドの形成が可能。

 

 

肝臓・膵臓オルガノイドのMatrigel懸濁培養システム

「HepatiCult」を用いるMatrigel懸濁液培養で得られたマウス肝管断片由来肝前駆細胞オルガノイドは、4~7日以内に継代することが可能。

「PancreaCult」を用いて、7日間以内で膵臓オルガノイドの形成が可能。

 

 

得られた肝臓オルガノイドの形態

  

得られたオルガノイドは、肝細胞典型的な形態(タイトジャンクション、二核、多角形)を示す。
上図は20回継代した肝前駆細胞由来オルガノイド。

詳細はこちら>> 肝臓オルガノイド培養系:改善法 vs. 従来法の比較!「HepatiCult」 

 


得られた膵臓オルガノイドのマーカー発現

  

外分泌部膵臓オルガノイドは、膵臓前駆細胞(PDX1、赤)および膵管細胞(KRT19、緑)のマーカーを示す。
(DAPI、青;上図は12回継代したday 5のオルガノイド)

 

関連リンク

 

製品リスト

製品コード

製品名

梱包単位

ST-06030

HepatiCult Organoid Growth Medium (Mouse)

Kit

ST-06040

PancreaCult Organoid Growth Medium (Mouse)

Kit