マウス間葉系幹細胞用培地(MesenCult)

【間葉系幹細胞について】


骨髄間質は当初、骨髄の造血成分の構造骨格として機能すると考えられていました。それ以来、間質は異種細胞集団で構成されており、物理シグナルと化学シグナルの組み合わせによって骨髄中の造血幹細胞(HSC)の増殖・分化に対して正負両方の調節作用を有することが広く証明されています。また間質には間葉系幹細胞(MSC)と呼ばれる別の非造血細胞も含まれており、これらは自己複製することも、骨、軟骨、筋肉、腱、脂肪へ分化することも可能です。MSCがHSCと非常に似ている点は、数が極めて少なく、骨髄細胞100,000個中1個という頻度でしか存在しないことです。MSCはまた、“Mesengenesis”と呼ばれる造血に類似した段階的成熟過程を経て種々の成熟細胞型を生じます。これらの細胞が骨形成原(骨)細胞を産生する能力を見るためのアッセイが開発されています。造血細胞と同じように、骨髄中に存在する間葉系前駆細胞の細胞表面表現型には不明な点が多く残っています。しかし、これらの細胞はコロニー形成線維芽細胞(CFU-F)アッセイでin vitroで定量することが可能です。線維芽細胞コロニーに由来する培養細胞は何代にもわたってさらに増殖することが可能であり、その後も種々の成熟細胞型に分化する能力は保持されます。より原始的な間葉系前駆細胞も存在すると考えられますが、多くの研究者達はこれらの培養細胞をその特徴から間葉系「幹細胞」と呼ぶようになりました。間葉系幹細胞の表面抗原は、CD45とCD34が陰性、CD105(SH2)、CD73(SH4)、CD90(Thy-1)が陽性と定義されています。


【MesenCult製品の概要】




【製 品】

マウス間葉系幹細胞の増殖、分化用培地およびサプリメントです。

MesenCult Expansion Kit (Mouse)  (ST-05513) NEW
MesenCult Proliferation Kit with MesenPure (Mouse) (ST-05512)
マウス骨髄および緻密骨由来MSCsの濃縮・増殖用に最適化された培地キットです。キットに含まれるMesenPureを加えることで、より均一で高効率な増殖を実現します。混入した造血系細胞も、連続継代や頻繁な培地交換を経ずに除去できます。培養にかかる時間を短縮すると同時に、3系列への分化能が保たれた高品質のMSCsが得られます。
※ ST-05513は、ST-05512の後継品で増殖能がさらに向上しました。
  ST-05512 および ST-05502は在庫がなくなり次第販売を中止となります。(2017年12月)



MesenCult Expansion Mediumによるマウス骨髄由来MSCの長期増殖

Control: MesenCult Expansion Medium(低酸素条件下)。Commercial Mediumと比べ、優れた長期増殖効率を示した。
With MesenPure: ControlにMesenPureを添加。継代0回よりMSC純度を高め、継代8回以降も増殖効率が改善した。
Commercial Medium 1, 2: 市販培地(通常の酸素濃度条件下)

MesenCult Expansion Mediumで増殖したマウス骨髄由来MSCのフローサイトメトリー解析

継代2回のMSCを間葉系表面マーカーCD106、Sca1、および造血系マーカーCD45で染色し解析した。MesenPureを添加により、しない場合(Control)よりも造血系のコンタミが抑えられ、均一なCD45- (CD106+ and Sca1+) のMSC集団が得られた。

<ST-05513 キット構成>
● MesenCult Basal Medium (Mouse), 450 mL (#05514)
● MesenCult 10X Supplement (Mouse), 50 mL (#05515)
● MesenPure 1000X, 0.5 mL (#05500)
  注1) キット内容物の個別販売はございません。
  注2) 培地にはL-Glutamine (ST-07100) の添加が必要になります。


MesenCult Adipogenic Differentiation Kit (Mouse) (ST-05507) Coming Soon 
マウスMSCsから脂肪細胞への分化用培地です。緻密骨、骨髄、脂肪由来の間葉系幹細胞(MSC, ADSC)、および胚繊維芽細胞(MEF)から、脂肪生成系列へと10-14日で安定的に分化させることが可能です。
※ 本製品は、販売中止となるAdipogenic Stimulatory Supplements (Mouse) (ST-05503) の後継品で性能がさらに向上しています。
 ・ 内容: MesenCult MSC Basal Medium (Mouse) (200 mL)
       MesenCult Adipogenic Differentiation 10X Supplement (Mouse) (22 mL)
       (いずれも、単品販売なし)
   注) 培地にはL-Glutamine (ST-07100) の添加が必要になります。

Adipogenic Stimulatory Supplements (Mouse) (ST-05503)
MesenCult Basal Medium (ST-05501)と組み合わせて使用することで、マウスMSCsの脂肪細胞への分化をサポートします。
※ ST-05503は販売中止となり、後継品ST-05507を発売準備中です。(2018年4月)

MesenCult Osteogenic Stimulatory Kit (Mouse) (ST-05504)
マウス緻密骨および骨髄由来のMSCsや、マウス胚繊維芽細胞(MEFs)を骨芽細胞に分化させるためのキットです。2-3週間程度で分化します。MSCsやMEFsのキャラクタリゼーション、および骨形成の研究に使用頂けます。
 ・ 内容: MesenCult MSC Basal Medium (Mouse) (200 mL)
       MesenCult Osteogenic Stimulatory Supplement (Mouse) (50 mL)
       (いずれも、単品販売なし)

MesenCult-ACF Chondrogenic differentiation Medium (ST-05455)
間葉系幹細胞から軟骨形成細胞に分化させるための培地です。ヒト用ですがマウスMSCsにもお使い頂けます。
 ・ 内容: MesenCult-ACF Chondrogenic Differentiation Basal Medium (95 mL)
       MesenCult-ACF 20X Chondrogenic Differentiation Supplement (5 mL)
       (いずれも、単品販売なし)
 ・ 詳細はフライヤー(英語)をご覧ください>>

【データ例】


Figure 1. 均一かつ造血系細胞のコンタミを生じない、MesenPureで培養したCFU-Fアッセイ
骨髄由来MSCsのコロニーアッセイ(CFU-F)培養。細胞をMesenPure入り(コントロールは、MesenPureなし)MesenCultで14日間培養し、固定後、トルイジンブルーで染色した。 (A) コントロールでは、MSCs(黄矢印)の周囲で造血系細胞(赤矢印)が見られたが、 (B) MesenPure存在下では均一な間葉系幹細胞を得られ、造血系細胞のコンタミが見られなかった。


Figure 2. Adipogenic Stimulatory Supplement (Mouse)を添加したMesenCult MSC Basal Medium (Mouse) で培養したマウス緻密骨由来MSCsの脂肪細胞への分化。MesenCult Proliferation Kit (Mouse)で3継代したMSCから分化した脂肪細胞をOil red Oで染色した。
Figure 3. MesenCult Osteogenic Stimulatory Kit(Mouse)で培養したマウス緻密骨由来MSCsによる強固な骨マトリックス形成(Ca2 +沈着物のアリザリンレッド染色像)。緻密骨由来MSCsを3回継代培養し、いったんEasySep Mesenchymal Stem/Progenitor Cell Enrichment Kit (Mouse, Catalog #ST-19771)で純化してからさらにもう1回継代し、MesenCult Osteogenic Stimulatory Kit (Mouse)で分化させた。
Figure 4. マウス緻密骨由来MSCs からMesenCult-ACF Chondrogenic Differentiation Mediumで分化した軟骨細胞。マウス緻密骨由来MSCsをMesenCult Proliferation Kit with MesenPure (Mouse, Catalog #ST-05512)で2回継代後、MesenCult-ACF Chondrogenic Differentiation Mediumで、21日間(20% O2)ペレット培養で分化させた。濃青色に染色された軟骨細胞外マトリックスと豊富な同原軟骨細胞群が確実な軟骨分化を示唆している。


【関連製品】
マウスMSCはHypoxia Chamber (ST-27310) を用いた低酸素条件で培養することで、効率的に増殖することが出来ます。
低酸素条件での培養は、iPS細胞の樹立においても好成績を示しております。
Hypoxia Chamberを使用することで大掛かりなインキュベーターを使用することなく、簡単に低酸素条件を整えることが出来ます。

● マウス間葉系幹細胞の増殖が劇的にアップする培養法 -Hypoxia Chamber-
● マウス緻密骨からのMesenchymal stem cell分離用EasySep
● 間葉系幹細胞用研究ツールの特集へ


【文献】
MesenCult (マウス) 使用論文例 (2012年6月)
● Karagiannidou A et al. Cellular reprogramming 2014 FEB Mesenchymal Derivatives of Genetically Unstable Human Embryonic Stem Cells Are Maintained Unstable but Undergo Senescence in Culture As Do Bone Marrow–Derived Mesenchymal Stem Cells



本製品は、「研究用」です。研究目的にのみ使用し、人や動物の医療用・臨床診断用・食品用としては使用しないようにご注意ください。

CFU-FアッセイによるマウスMSCの検出とin vitro増幅の概要

関連製品

ALDEFLUOR-ALDH活性に基づく幹細胞/前駆細胞同定キット

間葉系幹細胞サポート試薬・器具

EasySep マウス間葉系幹細胞 分離

最新引用文献リスト

MesenCult (マウス) 使用論文例 (2012年6月)

英語マニュアル

MesenCultマウス用 英語マニュアル

技術資料

MesenPureによる高効率なマウスMSC培養(ST-05512)

よくある質問

MesenCultのFAQ

製品情報

製品コード 製品名 梱包単位 保存温度 該当法規 MSDS マニュアル・関連資料
日本語 英語 その他
ST-05455 MesenCult-ACF Chondrogenic differentiation Medium 100mL 冷蔵/冷凍  
ST-05501 MesenCult MSC Basal Medium (Mouse) 400mL 冷蔵(2-8℃)  
ST-05502 MesenCult Mesenchymal Stem Cell Stimulatory Supplements (Mouse) 100mL 冷凍(-20℃)  
ST-05504 MesenCult Osteo Stim. Kit (Mouse) 250mL 冷蔵/冷凍  
ST-05513 MesenCult Expansion Kit (Mouse) kit 冷蔵/冷凍  

最新マニュアルはメーカーウェブサイトからダウンロードください

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